2016-07-20

大橋巨泉

７月14日付で大橋巨泉氏*1に言及したとき*2、氏は既にこの世の人ではなかったわけだ。勿論、そのときそんなことに気付く術もなかったわけだ。

『毎日新聞』の記事；

訃報
タレントの大橋巨泉さん死去８２歳…人気番組で司会
毎日新聞2016年7月20日　09時38分（最終更新　7月20日　11時41分）

　「１１ＰＭ」や「クイズダービー」のテレビ司会で知られる元参院議員の大橋巨泉（おおはし・きょせん、本名・大橋克巳＝おおはし・かつみ）さんが１２日、急性呼吸不全のため亡くなった。８２歳。葬儀は近親者のみで営んだ。後日、しのぶ会を開く。喪主は妻寿々子（すずこ）さん。
　東京・両国生まれ。「巨泉」は高校時代の俳号。早稲田大を中退後、ジャズ評論・放送作家などを経てタレントに転身した。１９６６年４月、深夜番組「１１ＰＭ」の司会に。「野球は巨人、司会は巨泉」のキャッチフレーズで一躍人気を得た。テレビ出演時にかけていた黒縁メガネはだてメガネだった。
　その後も「巨泉×前武ゲバゲバ９０分！」「世界まるごとＨＯＷマッチ」「クイズダービー」など人気番組で活躍。競馬評論でも知られた。８５年に「１１ＰＭ」の司会を降板、９０年には５６歳になったのを機に「セミリタイア宣言」した。以降はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど大半を海外で過ごしてきた。
　２００１年７月に民主党公認候補として参院選比例代表に立候補し当選したが、有事法制など安全保障政策をめぐって当時の党代表・鳩山由紀夫氏ら執行部と意見が対立。就任半年で議員辞職した。
　前妻との間に娘が２人おり、いずれもジャズシンガー。愛川欽也、財津一郎さんらと「昭和九年会」を結成している。
　０５年に胃がん、１３年に中咽頭（いんとう）がんの手術を受けながらも執筆活動を続けた。週刊現代の連載は６月２７日発売号で最終回を迎え、「最後の遺言として一つだけは書いておきたい」として「選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい」と参院選での野党への投票を呼びかけた。
http://mainichi.jp/articles/20160720/k00/00e/040/220000c

WWE accused

Associated Press “Dozens of wrestlers sue WWE for damages over brain injuries” https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/19/dozens-of-wrestlers-sue-wwe-for-damages-over-brain-injuries

７月18日、50名以上の引退した元プロレスラーがレスラーとして被った脳障害への責任を取るよう、WWE *1を相手取って訴訟を起こした。特に問題とされているのは、WWEが労働者保護法制でにおいて規定された雇用者責任を逃れるために意図的にレスラーを「独立事業者」として扱ったことのようだ；

The complaint was filed on behalf of more than 50 plaintiffs who have performed with WWE or its predecessors since the 1970s, including Joseph “Road Warrior Animal” Laurinaitis and Paul “Mr. Wonderful” Orndorff.
It accused Stamford, Connecticut-based WWE and chairman Vince McMahon of intentionally classifying wrestlers as “independent contractors” rather than employees, as a means to avoid liability under applicable worker protection laws.
“WWE placed corporate gain over its wrestlers’ health, safety, and financial security, choosing to leave the plaintiffs severely injured and with no recourse to treat their damaged minds and bodies,” the complaint said.
The lawsuit seeks compensatory and punitive damages, as well as improved medical monitoring.
WWE, in a statement, called the lawsuit another attempt to hold it liable by a lawyer who had two earlier lawsuits dismissed and added that “we’re confident this lawsuit will suffer the same fate”.
WWE has won the dismissal of some claims in other lawsuits accusing it of hiding the risks of head trauma from wrestling.
The National Football League and National Hockey League have also been sued by retired players over head injuries.

先日亡くなったモハメド・アリ *2のパーキンソン病とボクシングとの関係はわからないけれど、スポーツと脳障害ということで先ず思い浮かぶのはボクシングだろう。たこ八郎の場合とか。また、プロのサッカー選手はALSに類似した病気になるリスクが一般人の数倍高いということもいわれている*3。

*1:http://www.wwe.com/ Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100918/1284799582 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150725/1437841378

*2:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160604/1465028206 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160605/1465149456 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160607/1465238602

*3:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100818/1282103324

2016-07-20

「平成の四王天延孝」？

ポスト舛添要一の東京都知事選挙 *1を巡って。
宇都宮健児氏*2が立候補を見送って、野党側の候補が鳥越俊太郎氏*3に一本化されたのが選挙公示前日の７月13日*4。これは宇都宮氏も納得の上での決定であった筈だが、ネットを中心とした世論にとっては違ったようだ。宇都宮氏は密室的な政党政治の犠牲者として位置づけられ、「民進党の岡田克也（や枝野幸男ら）、共産党の志位和夫（や小池晃ら）、社民党の（落選した）吉田忠智（や福島瑞穂ら）、それに生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎や山本太郎らが批判の対象」になっているというのだ*5。野党の幹部連が吊し上げられるだけではなく、一部の民進党や共産党の支持者たちが、自民党員のまま自民党に抗して*6フライング的に立候補した小池百合子 *7へと支持を向け変えているというのだ*8。あらまあ。
さて、さとうしゅういち氏*9は、この小池百合子を「「ネトウヨ」（ヘイトスピーチ組織）の方々からも絶大な支援を受けています」といい、「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す女性元閣僚を推すのは、四王天延孝中将を持ち上げた戦時中の左翼に類する行為だ」と断じる。小池＝「平成の四王天延孝」ということらしい*10。一瞬小池を褒め過ぎだろうと思った。四王天延孝というのはグローバルな反ユダヤ主義者のバイブル『シオン長老の議定書』*11の翻訳者でもあり*12、いわばユダヤ陰謀理論が軍服を着て歩いていたというような人である。こんな人名を引き合いに出して、陰謀理論クラスターを小池支持へと覚醒させてしまうという効果はないのかしら。
また、あの天木直人 *13が小池百合子への熱烈支持を表明しているのだという。天木は前回の都知事選挙においては宇都宮氏に敵対して細川護熙氏を支持していた*14。

*4:See 「宇都宮健児氏が立候補見送り表明　東京都知事選」http://www.asahi.com/articles/ASJ7F6JVSJ7FUTIL03L.html

*5:http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160716/1468630817

*6:勿論、ここでいう抗するというのは力学的のみに解釈されるべきであって、自民党における自由主義を復権させるとかそういうことは全然言っていないのだ。

*7:http://www.yuriko.or.jp/ Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061121/1164082739 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091201/1259683304 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150213/1423756575 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150307/1425718006 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160705/1467732606

*8:See http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160718/1468773989 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160718/1468804876 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160719/1468880626

*10:http://hiroseto.exblog.jp/24536023/ Cited in http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160719/1468880626

*11:Mentioned inhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091013/1255405021 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101223/1293085550 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110703/1309670384 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130527/1369670626

*12:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E7%8E%8B%E5%A4%A9%E5%BB%B6%E5%AD%9D

*14:See http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160720/1468964823 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160719/1468880626#c1468950842 http://d.hatena.ne.jp/pomme1919/

2016-07-20

電車の中で（日豪）

独逸では斧とナイフだったが*1。
『朝日新聞』の記事；

山手線車内で異臭騒ぎ、乗客３人が不調
2016年7月20日00時28分

　１９日夜、東京都港区海岸１丁目のＪＲ浜松町駅付近を走行していた山手線の車内で異臭騒ぎがあり、乗客が不調を訴えた。
　芝消防署によると、同日午後１１時１０分ごろ、「車内でスプレーのようなものがまかれ、気分が悪くなった乗客がいる」という趣旨の通報があった。その後、同駅に向かった救急隊員から、山手線のホームに降りた成人の乗客３人が不調を訴えていて、うち２人を病院に搬送する予定だ、との報告を受けたという。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7N015KJ7MUTIL06Z.html

何者かがしゅっしゅっしている様子は目撃されたわけだ。
また、濠太剌利のニュー・サウス・ウェールズでは、７月20日午前、電車の中で、20歳の男が自らのバックパックから１米くらいの蛇を取り出し、他の乗客に見せつけていた。通報を受けた警察により、蛇は没収された。濠太剌利では蛇を飼うには許可がいるようだが、彼はその許可を得ていなかったという；

Australian Associated Press “Snake on a train: police seize jungle python from man showing it off to passengers” https://www.theguardian.com/australia-news/2016/jul/20/snake-confiscated-from-train-on-nsw-central-coast

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160719/1468938150

2016-07-20

「復帰」を巡って２つ

先ず『日刊スポーツ』の記事；

小林麻美25年ぶり復帰　ファッション誌表紙飾る
[2016年7月20日7時54分　紙面から]

　モデル、歌手、女優として活躍した小林麻美（６２）が２５年ぶりに現場復帰することが１９日、分かった。今日２０日発売のファッション誌「ｋｕｎｅｌ」９月号（マガジンハウス）の表紙を飾り、同誌で新連載「伝説のおしゃれミューズ」がスタート。おしゃれへの熱い思いを語るという。
　関係者によると、小林は子供が巣立ったことをきっかけに、モデルでの復帰が実現したという。モデル時代に仕事をしてきた古くからの知人と、同誌の編集長が知り合いだったこともあり、今回の企画がとんとん拍子に進んだようだ。
　もっとも、小林は「もう２度とカメラの前に立つことはないと思っていました」と同誌に語っている。美人女優、歌手としてのキャリアを結婚を機にバッサリと捨て、潔く家庭に入った。それから２５年。同誌からの申し入れに、「やっぱり洋服が好き」というおしゃれへの揺るぎない情熱が、今回の復帰を後押ししたという。同誌では、最愛のイブ・サンローランを語り、私物のビンテージコレクションを披露している。
　小林はモデル、女優として活躍。歌手としては８４年に「雨音はショパンの調べ」がヒットした。３７歳の時、１９９１年３月に、所属事務所の社長（当時５２）と結婚した。出会いはその１７年前で、秘めた恋だった。妊娠をきっかけに小林が「どうしても産みたい」と意志を貫き、長男の出産後に婚姻届を提出。小林は芸能活動を休業していた。
　◆小林麻美（こばやし・あさみ）１９５３年（昭２８）１１月２９日生まれ、東京都出身。７０年のＣＭ出演で芸能界入り。７２年シングル「初恋のメロディー」で歌手デビュー。病気のため一時芸能活動を休止したが、７４年再デビュー。ファッションモデルとしても活躍する一方で「愛・あなたにとどけ」など著作も多数。
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1681250.html

特に50代から60代にかけての人にとっては大事件だと思う。（多分）男女を問わず小林麻美 *1に心ときめかした経験がある世代。小林さんは、一度アイドルとしてデビューして挫折し、その後メロウというかアンニュイな女性というキャラクターを再確立した。そのどちらのフェーズにピントが合っているかで、やはり〈世代〉というのは区別されるのだろうなとは思う。因みに、私はアイドル時代をあまり知らない。
何故だかわからないけれど、「所属事務所の社長（当時５２）」というふうに匿名化されている。元スパイダースの田辺昭知。麻美さんと同等の有名人ではあるけれど。
こちろは「復帰」がわからなくなったという話。
『朝日新聞』の記事；

谷垣氏が総務会欠席、復帰のめど不明　自転車転倒でけが
2016年7月19日22時57分

　自転車で転倒し、都内で入院している自民党の谷垣禎一幹事長は１９日、党総務会を欠席した。総務会後の記者会見で、二階俊博総務会長は「詳細は我々も知らされていない。無事に回復されることを祈る」と述べた。自民党はけがの程度について「軽傷」としているが、政府関係者は「自転車で転び、背骨を痛めて都内の病院で手術をした。軽傷というより重傷だ」と話しており、復帰のめどは不明という。
　総務会では、細田博之幹事長代行が「党務に支障のないよう、よろしくお願いしたい」と谷垣氏の言葉を紹介した。谷垣氏は１６日午前、都内で趣味のサイクリング中に転倒。党幹事長室は同日、けがの程度について「軽傷」とした上で、「大事を取って入院した」と説明したが、詳しいけがの状況などは明らかにしていない。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7M62D7J7MUTFK00H.html

*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E9%BA%BB%E7%BE%8E Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111219/1324265873

2016-07-20

創文社の終わり

『朝日新聞』の記事；

学術書専門の創文社、売り上げ激減　２０年めどに解散へ
2016年7月20日18時09分

　１９５１年の創業の学術書専門の出版社「創文社」（東京都千代田区、社員６人）が２０２０年をめどに会社を解散する予定であることがわかった。同社は「売り上げの落ち込みが激しく回復が見込めない」としている。
　「ハイデッガー全集」や「神学大全」（トマス・アクィナス著）など、哲学や宗教、歴史、政治、社会系の書籍のほか、「哲学研究」などの雑誌も発行してきた。同社によると、最近は年１０％の割合で売り上げが落ち続け、昨年は１０年前の約３分の１だったという。新刊書の発行は来年３月まで続けるという。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7N5PXJJ7NUCVL01Y.html

初めて買った創文社 *1の本はウェーバーの『支配の諸類型』*2だった筈。

支配の諸類型 (経済と社会)

作者: マックス・ウェーバー,世良晃志郎
出版社/メーカー: 創文社
発売日: 1970/09
メディア: 単行本
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See also
土門稔「キリスト教や人文社会科学など学術出版の老舗　創文社が２０２０年をめどに解散」http://www.christiantoday.co.jp/articles/21499/20160719/sobunsha.htm
「創文社の解散の報に接して」http://d.hatena.ne.jp/ya022978/20160718/1468773185

「本社ビル」も売り払うのか。
経営状況の厳しさだけど、これは「出版不況」といった一般的な項に還元することはできないだろう。そもそも専門書の場合、個人読書家よりも機関購入というか、研究機関や図書館の購入に依存するところが大きかった筈。文庫や新書とは違うというか、個人がお気楽に買える値段ではない。単価を高めにして、機関購入を確保しつつ、細く長く出版を続けるというビジネス・モデルがあった筈なのだが、それが最近では肝心の機関の財政がタイトになったということで、不具合が生ずるようになってきたということなのだろうか。まあ、所謂TSUTAYA図書館 *3の中で『ハイデッガー全集』の居場所を確保するのは難しそうな気がする。
ところで、創文社の膨大なカタログ（版権）はどうなるのだろうか。角川あたりでまとめて買収してしまうということはないか。

*1:http://www.sobunsha.co.jp/ See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B5%E6%96%87%E7%A4%BE

*2:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101120/1290272803

Living, Loving, Thinking, Again

大橋巨泉

WWE accused

「平成の四王天延孝」？

最近読了した

電車の中で（日豪）

「復帰」を巡って２つ

創文社の終わり