Catsup

「モノづくりの情熱も再現 日本初のトマトケチャップ 横濱屋本舗」『なぎさ』(京急電鉄)639、p.16、2023


曰く、


横浜が開港した幕末、子安村(横浜市神奈川区子安付近)では、トマトなどの西洋野菜の栽培が盛んだった。栽培農家のひとり、清水與助が傷んだトマトを有効活用できないかと思いをめぐらせ、1896(明治29)年に完成させたのが、「清水屋ケチャップ」だ。
子安の工業地帯化とともに、清水屋ケチャップは姿を消したのだが、約70年の時を経て、丸山和俊さんが復刻させ、2007年に横濱屋本舗*1で販売を開始した。ラベルは当時、與助がデザインしたものをそのまま採用している。
ラベルには、


SIMIZU’S TOMATO CATSUP


とある。


堀田らいむ「ケチャップって英語?イギリスではまったく別の名前らしい」https://macaro-ni.jp/36615


曰く、


ケチャップを辞書で調べると、一般的な「ketchup」の綴りのほかに、「catsup」、「catchup」、「katsup」などのものがあります。もともとイギリスにはアンチョビ、マッシュルームやエシャロットなどから作られる「チャップ」というソースがあり、綴りには「ketchup」が使われていました。

元々19世紀後半にアメリカでトマトケチャップが盛んに作られるようになったとき、ケチャップの綴りは「catsup」が使われていました。しかし、ハインツが他社との差別化を図るためにイギリスのソースと同じ「ketchup」の綴りを使い始め、他社もそれに習うように徐々に「ketchup」に表記を変更しました。(今も、catsupと表示してケチャップを販売しているメーカーはあります)

その結果、ketchupという言葉は、アメリカではトマトケチャップのことを指し、イギリスではチャップという別のソースを表すという現象が起きたのです。


イギリスでの「ketchup」はトマトケチャップのことを指していませんが、イギリスでももちろんトマトケチャップは使われています。では、イギリスではなんと呼ぶのでしょう?実は非常にわかりやすく、そのまま「tomato sauce」と呼ぶのです。

イギリス本国だけでなく、イギリス連邦であるオーストラリア、ニュージーランド南アフリカでは、トマトケチャップに類するものはトマトソース(tomato sauce)と呼ばれるようです。これらの国では、瓶入りでトマトソースとして売られているものがケチャップであると、お考え下さい。