From king to flaneur

シネマトゥデイ』の記事;


コリン・ファースがドイツの哲学者ヴァルター・ベンヤミンに!

2017年5月19日 16時49分



 映画『キングスマン』などのコリン・ファースが、ユダヤ系ドイツ人で哲学者のヴァルター・ベンヤミンを描く映画『ベンヤミンズ・クロッシング(原題) / Benjamin’s Crossing』で主演のベンヤミンを演じることになったとDeadlineが報じた。

 ジェイ・パリーニの同名著書に基づく映画化で、第2次世界大戦中パリからピレネー山脈をこえて、ナチスの追っ手から逃亡を試みたとされるベンヤミンの半生が描かれる。監督は、ファースが主演した1987年の映画『ひと月の夏』のパット・オコナー。

 ファースは、9月より全米公開される『キングスマン』の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』の日本公開も決定。また、エミリー・ブラントメリル・ストリープと共演のロブ・マーシャル監督作『メリー・ポピンズ・リターンズ(原題) / Mary Poppins Returns』を現在撮影中で、来年12月に全米公開される予定だ。(鯨岡孝子)
https://www.cinematoday.jp/news/N0091586

元ネタは、


Nancy Tartaglione “Colin Firth Treks To ‘Benjamin’s Crossing’; Fortitude Intl Will Launch At Cannes” http://deadline.com/2017/05/colin-firth-cast-benjamins-crossing-fortitude-international-cannes-1202093598/
James White “Colin Firth On For Benjamin's Crossing” http://www.empireonline.com/people/colin-firth/colin-firth-benjamin-crossing/


コリン・ファース*1は『国王のスピーチ』で、英国王ジョージ6世を演じて、オスカーを獲っていたのだった*2。ジョージ6世とヴァルター・ベンヤミン、同じ時代を共有したとも言える。ベンヤミンが海峡の向こうのブリテン島についてどう思っていたのかは(私には)審らかではないのだが。

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ところで、実はベンヤミンの伝記の映画化をずっと妄想していたのだった。2006年に曰く、

私のマイミクさんのひとりがMixiの日記で、アーヴィング・ゴッフマンの生涯は映画になるって書いていたのだが、学者で映画になりそうな人といえば、ヴァルター・ベンヤミンをおいていないんじゃないかな。寧ろ、映画になっていないのが不思議。あれ程「複製藝術」に拘っていた人なのに。
数年前、マジでベンヤミンの映画化を妄想しました。私が考えたのは、生涯全体ではなくて、晩年の数年間だけ。ベンヤミンブレヒトを訪問して、彼の詩「老子出関の途上における『道徳経』成立の由来」を持って、巴里に戻ってくるところから始まるのだ。主な登場人物はベンヤミンのほかに、ブレヒトアレント夫妻。それから、悪役としてのアドルノ(笑)。チョイ役として、バタイユサルトルが出てきてもいい。映画としては、西班牙入国を断念したベンヤミンが自決するところで終わるべきなのか、それとも草稿を託されたアレントが紐育に到着して終わりという方がいいのか。私の妄想は、監督はアン・リーしかいないとか、脚本はジャン=クロード・カリエールがいいとか、音楽は譚盾だとちょっとベタすぎるか、ジョン・ゾーンという手もあるぞというところまで進んだのですが。上記の日記を読んで、想い出してしまった。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060225/1140889290
その頃、 既にJay Parini Benjamin's Crossing*3という歴史小説があることは知らなかった。