余友涵など


土曜日、上海当代藝術博物館*1でようやく第11回の「上海ビエンナーレ*2を観た。『何不再問:正辯、反辯、故事(Why Not Ask Agein? Arguments, Counter-arguments, and Stories)』。時間がタイトで、且つ5歳児の相手&監視もしなければならなかったので、駆け足で観た印象でしかないのだけど、印度(南亜細亜)系やアフリカ系のアーティストによる歴史(記憶)を問い直す作品が目立った。キュレーターたちのステイトメントに曰く、


Walking the floors of the Power Station of Art will mean undertaking a hundred itineraries through Shanghai, Hanoi, Dakar, Fukushima, Ramallah, Lahore, Guatemala City, Teheran, Dubai, Stockholm, Dhaka, and many more unexpected byways, basements, and bus stops of our present.
同時に開催されている余友涵の回顧展*3が興味深かった。1943年に上海で生まれた余友涵*4は中国現代アート界の長老格でもあるのだだが、この回顧展では1990年代前半の所謂政治的ポップ・アート期の作品はスルーされている。ただ、それによって、1980年代の抽象画、1990年代の具象画(人物画や風景画)への回帰、21世紀に入ってからの抽象画への再回帰というサイクルがくっきりと浮かび上がってきたような気がした。