「血まみれホラー」?

承前*1

「相模原45人殺傷事件「容疑者の母」は血まみれホラー漫画家」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160803-00010001-jisin-soci


週刊FLASH』の記事。障碍者虐殺事件の植松聖の母親は「漫画家」だという話。読者の劣情にあからさまに媚びていて、それはいいんだけど、幾重かの意味においてちょっと酷い。要するに、「血まみれホラー漫画家」というタイトルによって、息子の残酷には母親の影響があるといいたいのだろう。でも、それを期待して読み進めていった人は失望することになる。プロの漫画家なんだから、作品が1篇だけということはありえないだろう。その中の1篇が偶々「血まみれ」だからといって、「血まみれホラー漫画家」と規定してしまうというのは如何なものか。また、その具体的な内容についても、


 母親が発表していたと思われる漫画作品を、本誌は入手した。1990年代に発行された月刊ホラー漫画雑誌に掲載されたもので、読者から募集した恐怖体験を漫画にした作品だ。

 ある少女が母親の実家に泊まると、枕元に女性が現われる。「真っ赤なワンピースを着た血まみれの女の人が……」というフレーズとともに、肩や額から血を流している女性が、ニヤッと笑いながら少女を見つめ、次の瞬間フッと消え去ってしまう……という内容だ。

これでお終いだよ。結局記事から読み取れるのは、記事の筆者や編集者の母親に対する悪意のみ。本文までちゃんと読んだ人はこのタイトルがこけおどかしに過ぎないということがわかるけど、忙しいとか面倒くさいとかで、タイトルだけ見て本文を読まなかった人にはどういう印象が刻み込まれていることやら。
因みに、別の『女性自身』の記事では、植松聖にとって母親の存在感は弱かったということになっているけれど*2
See also


「北斗の文句は俺に言え」http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20160803