http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110129/1296276852に対してコメントをいただく;
たしかに。ただ、歴史的に見て、日本社会が長い間イスラームの影響から遮断されてきたというのは事実でしょう。それに対して、(例えば)中国やヴェトナムは数百年来内部にムスリムを組み込んだ社会を構成してきたわけです。イスラームは中国・朝鮮国境の長白山に阻まれたか。勿論戦前では軍事戦略的、地政学的関心に端を発したイスラームへの関心も高く(eg. 大川周明)、その余波として戦後に例えば井筒俊彦先生*1のような世界的なイスラーム研究者が出たということもあるのですが。また、1990年代前半以来イラン人を初めとするイスラーム教徒の移住が増え、それ以前よりもイスラームが日本人にとってずっと身近な存在になったことはたしかであり、それが例の公安文書の文脈を成しているわけですが、官憲のフレーム・アップがそのような日本人の(ポジティヴ・ネガティヴな)イスラーム理解を歪める可能性は大だろうと思います。
taraxacum_off 日本人のイスラム「理解」もかなり偏っている。/ 日本人のイスラムへの興味は911以前にも、湾岸戦争や「悪魔の詩」事件があったのでは? 2011/01/2915 clicks1 RT
http://b.hatena.ne.jp/taraxacum_off/20110129#bookmark-28639279
ところで、私にとってイスラームがぐっと身近になったのは、10年近く前に友人(女性)が珈琲占いで結婚しろと出たから結婚する! と言って、当時付き合い始めたばかりのイラン人と突如結婚してからですね。
日本におけるムスリムについては桜井啓子『日本のムスリム社会』を、戦前における日本人のイスラームへの関心については鈴木規夫『日本人にとってイスラームとは何か』を、取り敢えずマークしておきます。
- 作者: 桜井啓子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/07
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 作者: 鈴木規夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/05
- メディア: 新書
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061013/1160761446 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061019/1161272263 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061020/1161323567 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081124/1227458917 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090929/1254196767 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100110/1263054012 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100113/1263357673 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101021/1287634687 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101231/1293784063