川村でコーネル

日曜日、佐倉市川村記念美術館*1に行く。この美術館に行くのは10数年ぶり。その朝姜尚中が司会をする『日曜美術館』を視ていたら、川村記念美術館の『ジョセフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて(Joseph Cornell × Mutuo Takahashi: Intimate Worlds Enclosed)』を採り上げていたので、午後から行くことにした。京成で佐倉、そこから送迎バス。
フランク・ステラの彫刻"Luneville"を見ながら美術館に入り、レンブラント尾形光琳、マレーヴィッチ、ピカソマックス・エルンストルネ・マグリットマン・レイジャクソン・ポロックフランク・ステラ、さらにはバーネット・ニューマンにマーク・ロスコと、常設展示を一通り観てから、『ジョセフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて(Joseph Cornell × Mutuo Takahashi: Intimate Worlds Enclosed)』を観る。川村記念美術館が所蔵するコーネルの作品16点に高橋睦郎の詩を添えた構成。英文タイトルではEnclosedとあるが、Framedでもいいような感じがした。記憶及び記憶のメディアとしての物たちはそのままでは(字義的・比喩的な意味において)散逸して・失われてしまう。それらに箱という枠組を与え、その中に貼り付け・収めることで、記憶は固定され、記憶する人の死後も生き長らえることになる。尤も、encloseという言葉は封入するという意味だけでなく、(壁などで)囲うという意味も有しているのだが。
この展覧会のカタログ、JOSEPH CORNELL: Intimate Worlds Enclosed by Mutuo Takahashiはコーネルの作品と高橋睦郎の詩、その英訳から構成されている。コーネルの作品と高橋の詩は(字義的な意味で)encloseされている。造本が仏蘭西装になっているので。
金井美恵子先生の『快適生活研究』*2に使われているコーネル風のコラージュは姉上であらせられる金井久美子さんによるもの。

快適生活研究 (朝日文庫)

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