Doll House

「2007上海電子藝術節」*1の一環として開かれている「Doll House 日韓媒体藝術家邀請展」を観に徐匯藝術館*2へ行く。これは韓国人の金善姫さんがキューレイトし、日本と韓国の、崔有譲、李秀景、南条俊介、鈴木淳、李政録、李李男、柳美和、孫烽彩、猪子寿之、嶋田美子という10人の作家が参加している。展覧会の「Doll House」だが、それは先ずキューレーターの金善姫さんが会場である徐匯藝術館を最初に見たときの第一印象がdoll houseだったということによる。また、Doll Houseはイプセンの『人形の家』でもあり、間接的にフェミニズムにも関連する。展示の中で面白かったのは、先ず李李男の作品で、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を初めとする東西の名画をデジタル化・アニメ化するというもの。それとは対照的なイメージを喚起して面白いと思ったのは、李秀景の試みで、コンピュータが作りだしてしまうイメージ(スクリーンがフリーズしてしまうところ)を、再度油絵という古いメディアで再現しようとしている。多くのアーティストが電子メディアを使っている中、嶋田美子”Bones in Tansu—Family Secrets”が使用するのは箪笥と紙というメディアである。抽斗を開けると、そこには様々な〈告白〉が書かれた紙が入っている。それは家族を機能させるために封印されている(いた)〈秘密〉。祖父の旧殖民地における悪行から自分を性的対象として相手にしてくれない夫のことまで。「Doll House」ということで真っ先に思い出すのは、嶋田美子のこの箪笥である。