初詣その他

土曜の午後、ようやく初詣に行く。廬湾区吉安路*1の「法蔵講寺」*21924年天台宗の高僧・興慈大師によって創建される。「滬上唯一的天台宗道場」であると。正月とはいっても春節ではないので、人影はまばら。
『大聖末劫経』、『地蔵菩薩本迹録』という本をいただいてくる。これらは篤信者が功徳を得るために印刷したもの。前者には浄財を出した人々の名簿あり。後者は「地蔵菩薩」の霊験集になっており、その後半部の「地蔵菩薩霊感近聞(語訳)及続録」には1980年代、90年代の霊験譚が収められているのが興味深い。
ところで、弥勒菩薩に油(食用油)が供えられていた。佛に油を供えるというのは、中国でも日本でも初めて見たのだが、何か謂われがあるのだろうか。
その後、妻が古い燭台を探しているというので、東台路の骨董店街を覗いて、さらに西蔵南路の花鳥市場を見物する。ここの花鳥市場で驚いたのは、蟋蟀(及び蟋蟀を飼うための道具)を売る店の多さである。
あまりに寒風が強く寒いので、雲南南路の「小紹興」という店で、「白斬鶏」という蒸鶏と紹興酒。取り敢えず身体を暖める。それから、福州路まで歩いて、本屋街をうろうろしていると、知人のM弁護士からメイル。ジャズのライヴに行かないかというお誘い。9時半からなので、浙江中路のムスリム料理屋でマトンのレバーの炒め物と牛肉の鍋物を食べつつ、時間を潰す。
それから、タクシーで復興西路の「Jz Club」*3へ。最初に出てきたのは、テナー・サックス、エレキ・ギター、エレクトリック・ベース、ドラムズのカルテット*4。それから、今夜のメインであるJZ All Star Big Band。狭い店の中で17人編成のビッグ・バンドはそれだけで大迫力。曲目は前半はカウント・ベイシーが中心。オリジナル曲が中心の第2セッションが終わって中締めになった頃、既に時間は2時を過ぎていた。
その次の日は、カナダ旅行中に中国系カナダ人と遠距離恋愛に落ちたWさんがこの度(法律的に)結婚したというので、夫婦お披露目の宴会。愚園路の「福一零三九」*5にて。

*1:ちょうど新天地の裏手に中たる。

*2:Cf. 張化『上海宗教通覧』、p.21

*3:http://www.jzclub.cn/

*4:この編成だと、どうしてもかつてのキング・クリムゾンを連想してしまうが、それと比べるのは酷だろう。

*5:http://www.fu1039.com/