忘れていたソース(『藝妓回憶録』)

 承前*1

 先ずはtukasamaさん、コメントありがとうございます。
 さて、「ソースは忘れてしまったが、〈国辱〉であるとして、章子怡が脅迫を受けているということを聞いたことがある」と書きましたが、「ソース」を思い出しました。http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060106/1136516558で紹介した、


   Anne Ishii
“English as a Second Language”
http://villagevoice.com/film/0601,ishii,71489,20.html


でした。
 tukasamaさんがおっしゃる「別の系統の文化」ですが、それは〈アメリカ人によって構築された日本文化〉ということかなと思うのですが、如何でしょうか。ただ、どこの国でのそうなんでしょうが、そのような外在的に構築された〈自文化〉を半ば内在化しつつ、〈お土産用〉として客体化(objectify)していることは、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050816でちょろっと書いたように、秋葉原の免税店にて感じました*2。また、ふつうの(堅気の)日本人にとって、〈藝者の世界〉が「別の系統の文化」であることは否めず、その意味では、二重の意味で「別の系統の文化」ということになるのか。
 ところで、妻が買った『VOGUE 服飾與美容』2月号のJohn Powers「誘惑的藝術」(pp.218-221)*3という記事を見回しているのですが、制作側も〈国辱〉云々という問題に対しては、それなりにセンシティヴにはなっているのですね。Marshall曰く、「藝妓是藝術家、不是妓女」。また、「日本藝妓曾是那個時代的超級模特、是時尚新潮的化身、人〓*4追随〓*5*6引領的衣着時尚」。少なくとも、『VOGUE』のような雑誌においては〈国辱〉云々という問題ではない。ただ、映画で使われた和服はColleen Atwoodのデザインなので、文字通り〈アメリカ人によって構築された日本文化〉ではありますね。
 因みに、『VOGUE 服飾與美容』の特集は、「上海摩登(Shanghai Chic)」なり。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060116/1137384659

*2:そのようなお土産用日本文化が再度外在化されて、受け容れられたものが〈スカジャン〉になるのか。

*3:アメリカ版からの翻訳?

*4:men。にんべん+門。GB3539。

*5:ta。おんなへん+也。GB4393。

*6:men。にんべん+門。GB3539。