予告?

例の〈自殺予告〉書簡の全文が公開されている;


自殺予告手紙:「生きていくのがつらい」……手紙全文



 6日午前中に伊吹文明文部科学相あてに届いた封書には、「文部科学省 伊吹文明大臣様」とあて先が書かれ、その横に「(重要文書在中)至急大臣にわたすこと」と注意書きが添えられていた。封書には文科相教育委員会、校長、担任、同級生、同級生の保護者、両親にあてた計7通が同封されていた。ただ、個人名や学校名などは書かれていなかった。7日未明に文科省が公表した手紙の全文は以下の通り。(原文ママ

▽封筒表

〒100−8959東京都千代田区丸の内251

文部科学省 伊吹文明大臣様

(重要文書在中)至急大臣にわたすこと

▽封筒裏

「いじめが原因で自殺予告文といじめと自殺は、因果関係がある証明書」在中

いじめが原因の自殺証明書

文部科学大臣  伊吹文明

 僕は、いじめが原因で11月11日土曜日に自殺することを証明します。 この手紙をいじめた人達、学校の先生、校長、教育委員、いじめた人達の保護者、僕の両親に自殺をしたら見せてください。あとマスコミの人々にも全部見せてくださいお願いします。

 今回手紙を書いた理由は、生きていくのがつらいからです。いじめた人達は、何もバツをうけませんでした。先生に言ったのにも先生は、なにもしませんでした。両親にも言ったのですが「がまんしろ」しか言いません。なんとか親が学校の校長先生や教育委員のかたに連絡してもらったのですがなにもかわりません。なのに親や先生は、「お前の性格がわるい。や「がまんしろしか言わない。」ので11月8日の水曜日までになにもかわらなかったら「いじめが原因の自殺証明書」どうりに自殺します。場所は、学校でします。みんな信用できないので文部科学大臣伊吹文明大臣に書きました。僕の名前は、11月11日土曜日に自殺のニュースでみんなに知らせてください。お願いします。お願いします。

クラスのみんなへ

クラスのみんなへ なぜ僕をいじめるのですか。「キモイ」からですか「クサイ」からですか。なぜ僕をさけるのですか。なぜ僕のズボンをおろすのですか。ホモなのですか。なぜかげぐちを言うのですか。僕には、わかりません。僕は、みんながいじめたので自殺をします。自殺したあとにはんせいしたとかわるいことをしたなどうそを言うでしょう。ぜったい反省していないでしょなぜなら反省してたらクラスみんなで僕をいじめないからです。ぜったいなん年かたったらわすれるでしょう。なので僕が自殺しました。そのあとでみんな責任をとって自殺してください。11月12日の日曜日に学校の教室で自殺をしてください。反省しているのならできるはずです。なぜみんなが責任をとらないといけないかは、わかると思います。テレビなどでは、いじめた人は、先生や校長先生や教育委員会がみんなグルになってしょうこをいんめつしたりしていじめはないとウソをついたからです。だれも責任をとったいじめっ子は、いません。大人たちのせいです。なのでこんどは、大人の人がまもっくれると思っているのでしょうがまちがいです。ぜったいみんな自殺して責任をとるようにいろんな人に遺書を書きました。ぜったいいじめは、ゆるしません。僕からは、自殺をしない人は、ひきょうものだとしてウラミます。そしてうらみ殺します。または、全員の名前をこうしょうしてもらいます。生きじごくです。ずっといじめをした人だとまわりからゆわれてすごすことになります。最後に責任をとってください。

  集合場所 学校の教室

  日時 11月12日日曜日僕が自殺した次の日

  持ち物 ロープ(くびをつるため)

  または、 ナイフ(自分でさして死ぬため)

です。まもらない人は、あとでのろい殺します。さようなら僕をころしたクラスのみんな

両親へ

親へ お父さんお母さんこれを読んでいる時には、僕は自殺しています。ごめんなさい。 僕はがまんができませんでした。 いじめた人達、学校の先生、校長先生、教育委員は、みんな同じです。テレビを見てほかにも自殺したいと考えている人々がいることがわかりむりをしなくてもよいことがわかりました。いじめた人達何もしなかった先生、校長先生、教育委員のせいで僕は死にます。自殺します。先生や校長先生、教育委員は、テレビで見たように責任のがれをするでしょう。僕にはわかります。だから僕は、彼らをうらみます。もし生まれかわれたらまたお父さんお母さんの子供になりたいです。

担任の先生へ

担任の先生へ なぜ僕をたすけてくれないのですか。僕は、なん回も先生に言ったし親も先生にいじめについて言いました。もう先生が言ったように「がまんしろ」「お前が悪い」など先生に言われましたがいじめた人は、僕が「キモイ」や「クサ」など言います。どこに問題がありますかなぜ僕だけがこんなめにあわないといけないのですか先生は、僕を嫌いなのですか11月8日水曜日までにいじめた人に注意をしなければ僕は11月11日土曜日に学校で自殺します。先生もいじめている人と同じです。死んだらうら見ます。ぜったい先生をゆるさない。 僕が死んだら先生は、テレビでやってたようにウソをついていると思います。「いじめは、なかった」とか「いじめと自殺は、因果関係」がない、とかぜったい言ってるでしょう。先生も責任をとって僕が自殺した次の日の日曜日に自殺してください。ぜったいです。だけど先生は、信用できません。なので文部科学大臣に手紙を書きました。僕は、学校の先生を信用できません。ほかの先生もです。見てみぬふりをしています。いじめられているところを先生は、見たでしょなのになぜなにもしないのですかわかりません。

クラスのみんなの保護者へ

僕はあなたの子供にいじめられて自殺してもう生きていないでしょう。いままでどんな教育をしてそだててきたのですか。僕には、わかります。集団でいじめで責任をあやふやにして生きていくように子供をそだてたのですね。こんかいの自殺でいじめを知らないなどと言うと思うのですがウソをつくのは、やめてください。僕には、わかります。自分の子供がいじめをして人を殺したのです。殺人事件です。僕をいじめた人達の保護者なので信用できません。学校とグルになってもみけしたりしょうこをいんめつしたりするでしょう。そうさせないために文部科学大臣に遺書を書きました。みんなは、なにを子供におしえたのですか。つみには、とらわれない人の殺し方なのですか。責任は、とるのですか。だれがとるのですか。ウソをつく人の子供は、ウソつきです。無責任です。人殺しです。もしかして保護者の人も自分の子供などと同じく人を殺したことがあるのですか。ぜったいないでしょう。人殺ではなく自殺においこんだのでは、ないでしょうか。なので子供に責任をとらせてください。

 集合場所 学校の教室

 時間   11月12日日曜日僕が自殺をした時間。

 持ち物  ロープ(くびをつるため)またはナイフ(自分で死ぬため)

 そして子供を自殺させなさい。命れいです。自分の子供は、人殺なのです。または、あなたが子供を殺してください。

 最後にだれもこの約束を守らないでしょうそれは、いじめについて反省してないからです。ウソつきでひきょうものだからです。最後に自殺するまえにいしゃりょうとして1人100万円いじめに反対しているNPOなどにきふすること。

教育委員会

 なぜ僕が自殺をしたのかわかりますか。ぜったいわからないとウソをつくでしょう。まず最初に言いたいことがありま。今回の自殺は、「いじめが原因で自殺した。自殺といじめは因果関係があり教育委員は、いじめをしっていながらなにもしなかった。」

とはっきりテレビのニュースで本当のことをいってください。親が教育委員会に学校がなにもしないとなんどもなんどもいったのになぜなにもしないのですか。教育委員会のしごとはなんですかおしえてくださいいじめをさせるのが教育委員会のしごとですか教育委員会は全国にあっていじめをさせているのですか。テレビでは、ウソつきをしています。またこんかいもしょうこいんめつをするのですかこんかいはぜったいさせません。 なので文部科学大臣に遺書を書きました。僕は、なにもしなかった教育委員会をゆるせません。なので11月8日水曜日までにいじめがかいけつできなかったら11月11日土曜日に自殺をします。ほんきです。なにもしない教育委員会はいらないすぐに解散してください。

僕は、死んだらうらみます。教育委員会は、どこもニュースでやっているとおり同じです。ウソをついて自分のためだけにやっています。きゅうりょうどろぼうで自己中心でゆるせません。なので僕は自殺をします。
[関連記事へのリンクなので、省略]

毎日新聞 2006年11月7日 12時03分 (最終更新時間 11月7日 12時14分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061107k0000e040057000c.html

これがマジなのかたんなるネタなのかはわからない。何か〈不正義〉を被っていること、それ故に「生きていくのがつらい」と訴えているのはわかる。また、いじめられたことそれ自体よりも、それに対する教師や親の対応が糾弾されているようにみえる。例えば、

いじめた人達は、何もバツをうけませんでした。先生に言ったのにも先生は、なにもしませんでした。両親にも言ったのですが「がまんしろ」しか言いません。なんとか親が学校の校長先生や教育委員のかたに連絡してもらったのですがなにもかわりません。なのに親や先生は、「お前の性格がわるい。や「がまんしろしか言わない。」ので11月8日の水曜日までになにもかわらなかったら「いじめが原因の自殺証明書」どうりに自殺します。
という箇所。最初ネタというか吊りじゃないかと思ったのは、これを読んでも具体的にどんな酷いことをされたのか、この筆者が内面に貯め込んでいる瓦斯のようなものを生々しく感じることができなかったからだ。ここに書かれている内容というのは〈ありそうなこと〉の水準にとどまっているような気がしたのだ。〈怨みのディスクール〉とか〈糾弾のディスクール〉というのはもっと綿々と具体的な被害を書き連ねるものなんじゃないか。まして、私見によれば、ガキの作文というのはディテイルが好きだ。しかし、もう1度か2度読むと、もしかしてマジなのではないかと思うようにもなった。このエクリチュールの特徴は何かといえば、句読点、特に句点の乱れだと思う。例えば、

もう先生が言ったように「がまんしろ」「お前が悪い」など先生に言われましたがいじめた人は、僕が「キモイ」や「クサ」など言います。どこに問題がありますかなぜ僕だけがこんなめにあわないといけないのですか先生は、僕を嫌いなのですか11月8日水曜日までにいじめた人に注意をしなければ僕は11月11日土曜日に学校で自殺します。
というところとか。これは何を意味しているのかといえば、書いた人間の呼吸のリズムに忠実だということだろう。センテンスが終わっているのに「。」が打たれていないのは、そこで一息入れずに一気呵成に次のセンテンスを続けているということだ。それで疲れると、突然一息ついて読点を打っている。普通はそんなことはしない。ガキであっても。かなり切迫した状況だったのではないか。フィクションで、呼吸のリズムの乱れまで捏造するか。プロの小説家でも、句読点の操作によって呼吸のリズムの乱れを表現できるのは、池波正太郎先生くらいである。記事には封筒の表の写真があったのだが、あれはどう見ても小学生の字である。文壇一の悪筆といわれた石原慎太郎だってあの字は書けない。ということで、マジなんじゃないかということに傾いたのだが、まだたしかなことはいえない。因みに、「全員の名前をこうしょうしてもらいます」というのがわからなかったが、実は〈こうひょう=公表〉だったとすると、これを書いたのはヒとシが混同される方言を話している子どもということになる。江戸っ子か。
さて、既に色々な反応が出ているようだが、これがマジという前提で、このガキを助けたいと思うなら、理性に訴えたり情けに訴えたりして説得しようというのは無駄だろうと思う。勿論、勝手に自殺しろなどというのは論外であるが。
このガキについても、諸々の反応についてもいいたいことはあるのだが、ことがはっきりするまではいわないでおこうと思う。

Cancel、取り敢えず

承前*1

足立区教育委員会、取り敢えず「撤回」。
『朝日』の記事なり;


学力テストで予算ランク分け撤回 東京・足立区教委
2006年11月08日08時44分

 東京都足立区の07年度予算で、学力テストの成績に応じて各区立小中学校をランク付けし、学校への配分額に差をつける方針を固めていた同区教委は7日、この方針を撤回することを明らかにした。同区教委は、新たな方針として、各校からの申請に基づく予算査定では、「ランク付け」はせず、テスト結果の伸び率を大きな判断材料にすることにしている。

 同日開かれた区議会文教委員会で、内藤博道教育長が明らかにした。

 区教委の当初方針では、年に1回ずつ行われている都と区の学力テストについて、(1)都の学力テストで学校平均の正答率が都平均以上の科目数(2)区学力テストの成績が前年度からどれだけ伸びたか――などの項目を設けて査定。学校をA(全学校数の10%)、B(20%)、C(30%)、D(40%)にランク分けし、「特色ある学校づくり」予算の額に差をつける案をまとめていた。金額は中学校でAランクが約500万円、小学校で約400万円、Dは小中学校ともに約200万円、としていた。

 新たな方針では、A〜Dの4ランクに分けるのをやめ、各学校から提出される予算の申請に基づいて1校ずつ査定する方法に改めるという。学力テストの結果は、伸び率によって学校に加点する形で予算を上乗せする。加点の点数はあらかじめ決めずに1校ずつ判断する。学校へ配分する予算に学力テストの結果を反映する点は変わらないという。同区教委は、さらに具体的な方法を詰める。

 ランク付けする案が明らかになったあと、区教委には「学校格差を生む」などの意見が多く寄せられた。撤回した理由について、内藤教育長は「Aは良い学校でDはダメな学校などと、誤解されやすい制度だなと思った」と語った。
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200611070602.html

また、小松郁夫という方は、

土曜日から学校評価に関連した海外調査でイギリスに来ているのだが、この週末にマスコミで報道された足立区の政策について、多少なりとも関わりを持つものとして、報道内容について、気になっている。足立区教育委員会がどのように記者の皆さんには記者レクをしたのかは知りませんが、少なくとも私が委員長をしている学校支援委員会では、学力テストの結果だけで、学校予算を傾斜配分するなどという議論はしてこなかったはずだ。学力テストの結果をそのまま予算配分に反映させるなどというのなら、その程度の判断は小学生でもできるはずだ!日頃から学校と接触をし、今進めているような、多少なりとも進歩した学校評価システムを活用しての、重点的で学校の事情に対応したきめ細かい予算配分を検討中なのが、足立区の目指す改革の方向のはずである。
http://ikuo-nier.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_22db.html
と書かれている。それはそうだと思う。しかし、「多少なりとも進歩した学校評価システムを活用しての、重点的で学校の事情に対応したきめ細かい予算配分」に透明性を確保できるのだろうか、また校長の政治力とか上への従順さといった不純要素が入り込む余地はないのだろうかと、些かの疑問を呈しておく。

立冬

昨日は立冬。昨日の新聞には上海の最低気温は10℃までいくと書いてあった*1。その前の日の最低気温が15℃だったので、1日で5℃下がったことになる。実際、昨晩は今秋初めて寒さのため震えた。さらに、今日の新聞によると、上海でも、最低気温が金山区では5℃、奉賢区や崇明島の一部では3℃台まで下がったという*2。また、北京の最低気温は零下2℃、大連では既に初雪が降ったともある。しかしながら、最高気温は20℃を超えているので、下手に厚着をすると、逆に汗のために風邪を引きかねない感じなのである。

*1:呉潔瑾、余夢「上海今晨最低気温跌破10℃」『東方早報』2006年11月7日

*2:呉潔瑾「昨晨郊区気温跌至3℃」『東方早報』2006年11月8日

君主制と観光(韓国)

『東方早報』2006年11月7日「国際」面のベタ記事;


韓国“平民王子”請願恢復君主制


新華社 李氏朝鮮王室後裔計劃於本月開始、在韓国展開全国範囲内的請願活動、要求恢復象徴性的君主制、促進韓国旅游文化発展。

「恢復象徴性的君主制」と「促進韓国旅游文化発展」の関係がいまいちよくわからない。