白南準

 Nam June Paik(白南準)氏、マイアミの自宅にて死せり。享年74歳なり;

  Associated Press
“Obituary: Video Artist Nam June Paik Dies at 74”
http://www.iht.com/bin/print_ipub.php?file=/articles/2006/01/31/arts/web.obits.paik.php



In a 1974 report commissioned by the Rockefeller Foundation, Paik wrote of a telecommunications network of the future he called the ''Electronic Super Highway,'' predicting it ''will become our springboard for new and surprising human endeavors.'' Two decades later, when ''information superhighway'' had become the phrase of the moment, he commented, ''Bill Clinton stole my idea.''

Red、紅

 大昔のことだが、ledとredを取り違えて、れっど・ちぇっぺりんって〈赤い飛行船〉なんですかと言った奴がいた*1
 さて、春節が近づくと、街中が真っ赤っかに*2染まるということは既に書いた(と思う)*3

  Michelle QIAO
“Red: the color of China” Shanghai Daily 28-29 January 2006


記事の中で、華東師範大学の民俗学者、Zhong Fulan氏は、”Red is the most festive color of all as it symbolizes prosperity and flourishing”、また、”Chinese believe red things can ward off evils and disasters and thus bring them luck and joy.”という。黄との関係だが、そもそも”admiration for color yellow”は”a respect for the earth by farmers”に発するものだが、漢代以降、徐々に”an exclusive color for the royal families”となったという。つまり、広く一般向けということで紅が残されたわけだ。ただ、Michelle QIAO曰く、


Tradition is tradition. Not every Chinese loves red from their innermost heart.
 また、記事の中で触れられていないのは、共産主義の色としての紅である。
 ところで、記事には、春節の縁起物として、招財猫(英訳して、money cat)、すなわち招き猫の写真も載っているが、招き猫っていうのは、中国起源のものだったのだろうか、それとも、日本から伝播したものなのだろうか。詳らかではない。日本の招き猫と違い、金ぴか猫なり。
 なお、redという色が「文」という漢字の成立に深く関わっていることは、たしか白川静先生が『古代中国の民俗』にて述べられていた筈。

*1:断じて、私ではない。

*2:英語のredに相当する色を中国語では紅と表記し、日本語では赤と表記することが多い。面倒臭いので、以下は「紅」を使用することにする。

*3:多くの店が紅いデコレーションをしているのに対して、星巴克(Starbucks)は黄色いデコレーションを採用している。

一応、これは怪しまないと

 承前*1

 「いただきます」問題だが、『毎日』の記事に、


 ◇「食を見直す問題提起に」−−宮崎では推進運動

 宮崎県では昨年11月から、食事の際に「いただきます」を言うことなどを呼びかける運動が展開されている。

 市町村やJAなど142団体でつくる「みやざきの食と農を考える県民会議」(会長・安藤忠恕知事)が、農産物の恵みに感謝するのに最も分かりやすい活動として取り上げた。「いただきますからはじめよう宣言」をし、「県民が食事の時にいただきますの言葉に乗せ、命の恵みを感謝する」などの方針を掲げた。

 事務局の同県営農支援課は「子どもが朝食を抜いたり、家族全員の食事の機会が減っている中、食を見直そうという問題提起の意味もあります」と説明する。県内の公立小学校では給食時に「いただきます」「ごちそうさま」を唱えている。

という部分あり。
 (下からの草の根運動を装った)上から一斉の「いただきます」は取り敢えず怪しむべきだろう。そのうちに、〈兵隊さんありがとう〉が付け加わるなどといえば、サヨ的妄想と言われるかも知れないが。
 マジな話、ハンナおばさんによれば、西洋にてはプラトン以降、政治と教育は混同され始めた。東洋においては、政治と教育との混同は儒教文化の通弊なりといってしまうと、あまりに文化本質主義的か。