「大一沙龍」の行方

邵麗蓉「世界首個日軍慰安所如何保護警世」『新聞晨報』2015年5月20日


上海市虹口区の東宝興路にある4棟の建物はかつて世界最初の日本軍慰安所「大一沙龍」だった場所。1932年に民間人によって開設され、「日本海軍指定慰安所」となった。現在は集合住宅となっているが、昔日本式の畳部屋などがあったことを記憶する高齢者はいるものの、これらの建物が日本人によって建てられ、日本軍の「慰安所」であったことを知る地元住民は少ない。日本から移植された庭木もあったが、数年前に枯れ果てた。兪亮鑫上海市政協委員はこれらの建物を「紀念館」として保存することを提案している。中国国内で、「文物」(文化財)として保存されている旧日本軍の慰安所には、「雲南龍陵董家溝慰安所」、「黒龍江孫呉関東軍軍人会館」、「南京利済巷慰安所」があるという。
以前から、「大一沙龍」の建物を記念館にするという話は出ていたが、実現しないのは、現在住みついている人々への立ち退き補償金が莫大なものになるからだということだった*1
まあ、多国籍的なプロジェクトとして、〈旧日本軍慰安所〉関連施設を一括して世界遺産に申請すればよい*2