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サム・ペキンパーの『コンヴォイ』*1を巡って;
「大型トラックがつらなる光景」の撮影を仕切っていたのは、助監督として呼ばれたジェームズ・コバーンじゃなかったか*2。
大型トラックがつらなる光景で有名だけれど、田舎の安食堂を粉砕する大げんかの場面は、スローモーションをおりまぜた編集でペキンパーのリズムと独創性がよく出ている。拷問された仲間を救出しに建物をトラックでぶち破る場面も爽快に撮れていた。『わらの犬』や『ワイルドバンチ』ほどの評価は得ていないかもしれないが、この作品の暴力は風通しがいい。意外なことに興行上も、生涯最大の成功なのだという。社会の弱者が一点だけの強みで事態を切り抜けていくという展開に、藤沢周平の剣豪小説につうじるような娯楽性があったのだろう。
ペキンパー自身は1984年に59歳で亡くなるので、この時点で残された時間はあと5年ほど。本質的に60年代から70年代初期の映像作家だったと思う――あの、すなおな「行儀の悪さ」においても。
「『わらの犬』や『ワイルドバンチ』ほどの評価は得ていないかもしれないが、この作品の暴力は風通しがいい」−−音楽でいえば米国西海岸のハード・ロックという感じか。モントローズとかヴァン・ヘイレン辺りの。この映画の基調になっているのは勿論カントリー&ウェスタンなのだけれど。
ペキンパーの代表作というと、やはりここでタイトルが挙げられている『わらの犬』*3や『ワイルドバンチ』、或いは『ガルシアの首』、『戦争のはらわた』ということになるのだろう。個人的な話をすれば、初めての〈サム・ペキンパー体験〉は(ボブ・ディランが出演した)『ビリー・ザ・キッド』だったように思うのだ。
「意外なことに興行上も、生涯最大の成功なのだという」。これについては今まで気づかなかった。また、Wikipediaには、「この映画により「コンボイ」という単語は日本でも知られるようになったが、アメリカ製大型トラック/トレーラー自体を意味する言葉であると勘違いされるケースが多い」と書いてあったけれど、これもああそうだったの? という感じ。
ペキンパーは「 本質的に60年代から70年代初期の映像作家だったと思う――あの、すなおな「行儀の悪さ」においても」というのはその通り。
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*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120709/1341798176
*2:コバーンが『コンヴォイ』で助監督を務めたことはhttp://en.wikipedia.org/wiki/Convoy_%281978_film%29には記述があるが、http://en.wikipedia.org/wiki/James_Coburnやhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%A4_%28%E6%98%A0%E7%94%BB%29にはないのだった。
*3:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080224/1203784028