各党の見解

承前*1

http://moderntimeexistence.blog.fc2.com/blog-entry-192.html
http://moderntimeexistence.blog.fc2.com/blog-entry-193.html


児童ポルノ禁止法」改正問題に関する各政党の見解。
片山さつき*2の発言が半ば意味不明ながら凄い。

追いコンではなく

AERA』の記事;


解雇したい人追い詰める 大学の「追い出し部屋」の実態

2013年7月3日(水)16:00

 解雇したい人間を押し込め、じわじわと追いつめる「追い出し部屋」。これは、民間企業だけではなく、公的機関である「大学」にも存在する。

 その場所は、「教職員研修室」の名で呼ばれていた。名古屋女子大学文学部教授として教鞭をとっていた谷口富士夫(たにぐちふじお)さん(55)は昨夏まで、この「部屋」で、日本漢字能力検定の過去問を解かされ、何度もリポートを書かされ、文章作成などの業務を行っていた。当時を振り返って谷口さんはこう言う。

「いつ何をさせられ、今後どうなるかわからない状態…。心理的に追いつめられていました。まさに追い出し部屋です」

 学園の法人本部から突然呼び出しを受けたのは一昨年6月。指示通り、本部がある汐路(しおじ)学舎の会議室に行くと、事務方の中間管理職の男性からこう告げられた。

「漢字能力検定の1級と2級の過去問題を解くように」

 学生による授業評価アンケートの結果が低かったため、日本語関係の授業を教える能力があるかどうかを見極めるための「学長特命プログラム」、と説明されたという。

 こうして、事務方中間管理職立ち会いの下、漢検の過去問に取り組む日々が始まった。一日約3時間。途中、1時間置きに5分のトイレ休憩があるだけ。10月までの計13回、漢検の過去問を解き続けた。この間、他にも、日本語教育能力検定の過去問にも取り組まされた。

 谷口さんへの「指導」は9月に入るとさらに激しさを増す。プログラムを続けるため、すべての授業が休講になり、研究室の移動を命じられると、学内LANにつながったパソコンを取り上げられた。専門分野と関係のない授業の「見学」も指示され、毎回リポートが義務づけられた。10分単位で授業がどのような展開になっているか記録し、授業の感想を書き、その授業の良い点を3点列記するよう指導された。すでに授業停止になっていたにもかかわらず、自らの授業に取り入れたい内容も書くよう言われた。授業見学は翌2012年1月まで延べ120回近く。ことあるごとに反省文も書かされ、リポートと反省文の多くは手書きを強いられたという。

 名古屋女子大学は、学校法人「越原(こしはら)学園」が運営する創立98年の私学だ。07年に中学・高校を吸収合併し、法人名を「越原学園」に変更。関係者らの話を総合すると、この頃から、学園方針のほとんどの決定は、理事長、副理事長、常務理事の3人から成る常務委員会でなされるようになったという。理事長は越原一郎氏、副理事長は理事長の娘婿の越原洋二郎氏だ。こうした手法に反発した教職員らが同年4月、「名古屋女子大学職員組合」を結成すると、組合員を対象にした、大学側からの「指導」が始まったという。谷口さんは組合結成当初から、組合副委員長を務めている。

 こうした状況のなか12年4月、谷口さんは「教授」から「助手」に降任。そして同年7月下旬、谷口さんがネット上で書いていた「名古屋某女子大学マンガチック」と表記したブログが名誉棄損等にあたるとして学園から解雇を言い渡された。学園は谷口さんに対し、名誉棄損による約1千万円の賠償請求訴訟を起こし、谷口さんも同年9月に解雇無効等の裁判を起こした。二つの裁判は現在、名古屋地裁で審理が続いている。

 アエラの取材に学園本部の総務課長は、電話口で、「(教職員研修室のことを)よくご存じですね。しかし、企業秘密であり、非常に敏感な部分でもあるので、一切お答えすることはできない」とだけ回答した。

AERA ※2013年7月8日号
http://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2013070200024.html

谷口氏は仏教学者で、チベット仏教の研究者。
この件に関しては、日本科学者会議の『日本の科学者』(2013年5月号)に谷口氏本人が「名古屋女子大学での不当解雇問題」という文章を寄稿していることを知る*1


所謂「ブラック企業」に関しては、 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090624/1245843939 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100506/1273114399 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100613/1276414494 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110206/1297010958 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110222/1298351689 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110621/1308676863 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110918/1316350893 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111224/1324692134 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120601/1338563241 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120621/1340291749 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130130/1359564569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130308/1362745336も。

「右傾エンタメ」by 石田衣良(メモ)

承前*1

石田衣良「独善、自閉でない誇りへ 右傾エンタメと「大衆」の行方」『毎日新聞』2013年7月4日夕刊


最後の部分を写しておく;


右傾化の問題は作品より読者にある。作家はいつだって時代の変化を後からのんびり追いかける。山本周五郎の情に泣き、司馬遼太郎の志に奮い立ち、池波正太郎の技に唸った大衆文芸の読者、「大衆」そのものが草の根からなし崩しに右傾化を起こしているのだ。右傾エンタメどころか「憂国」小説が書店にあふれる日もそう遠くないだろう。理性ではなく、情とセンチメントによる右傾化が今後も広がりを増し、より深く進行していく可能性がこの国では高い。その祥子のひとつとして、右傾エンタメの興隆がある。
経済が伸び悩み、国際社会での影響力が低下すると、その国は独善的になり、内に閉じ、伝統に回帰しがちだというのは、国際関係論のセオリーという。右傾化も国力衰退症候群のありふれた症状のひとつと冷静に指摘しておけば十分なのかもしれない。
世界には約二百の国がある。自分たちばかり不当におとしめられていると心穏やかでないのは、ぼくたち日本人だけではないだろうか。取り戻すべき普通(の国)は、最初から手のうちにあるというのは、小説ではよく使われる皮肉なアイディアだ。
それでも右傾化の勢いは当分とどまることはないだろう。改憲論議が盛り上がりを見せている今、独善でも自閉でもなく、世界から孤立しない新しい「右」=日本の誇りの在り方を真剣に考える時がきたのかもしれない。