童名

歴史小説家の木下昌輝氏曰く、


たしかに、近代以降の日本は、個人が生涯唯一の「名前」を持つ(それしか持てない)時代だ*1
そのツィートを引用しながら、「藏狐(グスキー)ぴっぴ」という方が琉球弧の「童名」について囀っている;
See also


赤田の備忘録「【歴史】琉球の名前(童名)について」https://note.com/akd_f0506/n/n69595ab1d289

琉球の「童名」というのは、ヤマトにおける通称(官途成は除く)と似ているようだ。例えば、


太郎、一郎、二郎(次郎)、三郎、四郎、五郎


など。勿論、琉球の「童名」は生まれて直ぐに与えられる。ヤマトの「 童名」(幼名)の場合、梵天とか多聞とか日吉といった神仏、虎や獅子といった強い動物の加護を求めるといった呪術性があるけど。
琉球の「童名」は大藤修『日本人の姓・苗字・名前』では「個人名」と呼ばれている*2


琉球の伝統的人名は屋号と個人名からなる。屋号は屋敷を含む住居を指す標識であり、地域社会においては世帯や家族を特定する機能を果たしていた。一方、個人名は生涯使用する名前で、主として祖父母の名前を継承して命名され、長男・長女以外については、傍系親族に拡大するか、あるいは祖父母の上の世代の先祖にさかのぼって、特定人物の名前を継承した。
父方・母方の祖名を継承した点が特徴であり、琉球社会がもともと双系的な親族関係を基礎とする社会であり、双系的な先祖観を持っていたことによるとされる。(pp.167-168)

*1:にも拘わらず、その一方で、強制的な夫婦同姓制度が行われ、強制的な改姓を余儀なくされている。しかし、その場合でも改姓は強制されるが、下の名前は生涯不変が要請される。

*2:Cited in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/11/23/114245