「見えない」から「見える」へ

柴田こずえ「角野栄子魔女の宅急便」を語る」『MOE』(白泉社)2025年4月号、pp.92-93


角野栄子さん*1へのインタヴュー記事。
角野さん曰く、


本を出してから「魔女ってどんな人ですか?」っていういうな質問を受けたりして、あと追いで調べたんです。悪者にされたような歴史もあるからその系譜にキキがいたりしたら嫌だなと思って。(略)ミシュレ*2という19世紀フランスの歴史学者がいるんです。その人が魔女の存在がどうやって生まれてきたかっていうことを書いていて、「魔女は1000年の間、医者であった」って言っているの。子どもを健やかに育てるために、木の芽をお茶にして飲ませたり、薬にしたりしていたことがはじまりだって。それって、「見えない世界」から取り出したものを「見える世界」に運んでいたということなのよ。あ、これって、キキがやっていることと同じだと思ったの。キキが運ぶものも「見えない世界」を持っている。託す人に物語があり、者にも物語がある。だからキキは本来の魔女に合っていたって、すごく安心しました。(p.92)