韓国では

承前*1

大貫智子「韓国も類似 健康意識が一因 伊東順子」『毎日新聞』2022年11月4日


伊東順子さん*2へのインタヴュー。
新型コロナウイルス)「初期の対応には[日本と韓国という]両国で大きな違いがあったが、現在も欧米や東南アジアなどと比べてなかなかアフターコロナに進めないという意味では、日本と韓国は非常に似た状況にある」という。


韓国は、これまで人口の約半数がコロナに罹患した。オミクロン株が主流となって以後は、罹患しても軽傷で済むことから、インフルエンザとほぼ同じという認識が国民のコンセンサスになった。政府も感染症のランクを格下げしている。政府対応としてはアフターコロナに進んでおり、社会に解放感はある。大人数での酒席なども3年前のように開かれている。
一方、学校などは日本よりはるかに閉鎖期間が長かった。大部分の大学が対面授業に戻ったのは今秋からだ。現在の大学3年生は学内でのつながりが希薄で、今も新入生と変わらない状況だ。知人の大学関係者によると、1年から3年までの全員が新入生のようだという。
小学校や中学校の学校行事も同様だ。日本は昨年から少しずつ再開していたが、韓国は3年前に止まったままで、まだ再開していない学校が多い。屋外活動でもマスクの着用率は高い。最近開かれた友人の子どもの運動会の写真を見たら、協議する子どもも応援する親もほぼ全員がマスクをしていた。

屋外でもマスクを外さない日本人を集団主義というイメージで語る人もいるようだが、周囲を気にするのは韓国でも同じだ。飲食店内ではマスクを外して大騒ぎをしながら、帰宅時に急にマスクをするなど合理性のない行動は両国で非常によく似ている。
異なる点は、韓国は政府主導のルール作りが明確なのに対して、日本は行動制限は緩いままで法的根拠も曖昧という部分だ。自治体ごとの方針にもばらつきがあり、手足がバラバラな感じがする。
ただ、日本ではメディアなどで侃々諤々の議論を繰り広げてきた。韓国では国民が政府方針に従ってきた印象が強い。政府に対する信頼度の違いなのかはよく分からない。