2つの「文化住宅」



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文化住宅」というのもありましたね。

赤い文化住宅の初子*1という映画がありましたけど。そもそも関東では「文化住宅」という言葉は殆ど使われていないということもあるのですが、ちょっとわからないというか、普通の「アパート」との違いがわからない。「アパマンショップ」のサイトに解説記事(「多数のメリットを持つ大阪特有の文化住宅について」)があったので*2、ちょっと引用してみます。

近畿地方には、他の地域で暮らしていると聞いたことが無い、文化住宅というものが存在します。
文化住宅とは、近畿地方で高度経済成長期に建築された集合住宅を指します。
古い木造2階建てのアパートをイメージされると分かりやすいです。
大阪では、文化住宅は省略して文化と呼ばれることが多いです。

文化住宅は、近畿地方の中でも特に大阪に多いです。
なぜなら、大阪万博の工事や高度経済成長で進む大阪周辺の開発で働く人の為に建設されたからです。
大阪の中心部の文化住宅は改築され、今はほとんど残っていません。
そのため、大阪でも郊外に行かなければお目にかかることが少ない住宅です。

文化住宅は、2階の部屋の玄関も1階にあります。
そのため、1階から入ってすぐの階段を上がって部屋に入ります。
文化住宅ではお風呂が無い場合が多いです。
文化住宅に住む際には、近くに銭湯や風呂屋があるかを確認しましょう。
遠いと不便ですし、移動に費用がかかれば損をすることになります。
また、建築年数が古いので、部屋は和室です。
床は畳で、トイレが和式であることが多いです。
文化住宅の間取りは、二部屋と台所の2Kが一般的です。
普通の「木造2階建てのアパート」と「文化住宅」との違いは何なのか? 「文化住宅は、2階の部屋の玄関も1階にあります。/そのため、1階から入ってすぐの階段を上がって部屋に入ります」というところにあるのだろうか。でも、Wikipediaに掲載されている兵庫県明石市の「文化住宅」の写真を見ると、普通の「木造2階建てのアパート」と区別できない。外階段だし*3。但し、本文では「1950年 - 60年代の高度経済成長期に使われ始めた用語で、主として当時に建てられた瓦葺きの木造モルタル2階建てで、1 – 2階の繋がったメゾネット、あるいは各階に長屋状に住戸が並んだ風呂なしアパートを指す」と定義されている。これだったら、わかりやすい。実は、自宅の裏の方にも、メゾネットで庭付きのアパートがあるのだけど、これも「文化住宅」と言っていいのだろうか。また、所謂団地というか公団住宅でも、高層住宅が主流になる以前には、(「木造」じゃなくてコンクリートだけれど)「長屋状に」並んだメゾネットというところが少なくなかったんじゃないか。また、「文化住宅」に風呂はないというけれど、これは高度経済成長期にはまだユニット・バスの技術が普及していなかったということなのだろうか。
さて、「文化住宅」にはもうひとつの(戦後のアパートよりも古い)意味があるのだった。こちらの方は、大正後期から昭和初期にかけて建てられた和洋折衷の戸建ての家ということになる。神戸市岡本にあった谷崎潤一郎の旧居「鎖瀾閣」(通称「ナオミの家」)*4、がその代表とされる*5。また、『となりのトトロ』の舞台である「サツキとメイの家*6も「文化住宅」ということになる。