中上的場所

橋本未来「没後30年を迎えた作家・中上健次の作品世界に出合う旅へ。和歌山県新宮市聖地巡礼してみた」https://news.yahoo.co.jp/articles/6a15903f5cf3649ba0ceefdaf4679c875e0510c3


今年は中上健次*1が歿して30年になるのだった。
健次の故郷、和歌山県新宮市にある「聖地」の幾つか。

新宮市立図書館の「中上健次」コーナー;


「中上さんの魅力を知るなら、ここは必須のスポットです」と森本さん*2が教えてくれたのは、新宮市立図書館内に設置されている「中上健次コーナー」。数々の著作物をはじめ、創作時に使っていたデスクや原稿用紙などの愛用品、そのほか生涯の歩みを知る貴重な写真パネルなどが所狭しと展示されている。このコーナーを担当する、司書の三峪さわ代さんに話を聞いた。

中上健次がこれまでに残した著作や関連書、小学生時代に書いた作文などを展示しています。その幅広い活動や交友関係がひと目でわかる写真パネルのほか、ファン必見の直筆原稿も公開しています。また、中上が熊野大学で講演していた山本健吉さんの『いのちとかたち』に関する資料もあり、ビギナーからディープなファンまで見応え十分のコーナーになっています」

図書館には、中上健次が生まれた新宮市の町並みと自然が一望できるテラスも。館内に設置されたベンチに腰掛けて作品を読めば、作品の世界観にどっぷりと浸れるはず。

新宮市文化複合施設(丹鶴ホール)新宮市立図書館 住所:和歌山県新宮市下本町2-2-1 入館料:無料 時間:9時~18時(日曜・祝日は~17時) 休館日:月曜※詳細は公式サイトにて確認>

「丹鶴ダンス教室」;

中上の小説『鳳仙花』『千年の愉楽』『奇蹟』などにも登場するのが、JR新宮駅近くにあったダンスホール。「1950年頃に社交ダンス教室としてオープンし、おそらく高校生の時に中上さんが通っていた場所だと思います」と森本さん。当時としてはハイカラな大人が集まるこの場所で、中上はどのような様子でダンスに興じていたのだろうか。教室を営んでいた湯川和子さんは、そのときの様子を次のように教えてくれた。

「一緒に経営していた夫から、中上健次さんたちがお見えになっていたという話は聞きましたが、私自身はお見かけしたことはないんですよ。ただ当時は社交ダンス教室に未成年の方は入場できない決まりだったので、高校生らしき人たちがいると目立つんです。だからもしかすると、そのなかに中上さんもいらしたのかな。男女がペアになって踊る“ホールルームダンス”を、中上さんたちがどんなふうに踊っていたのか私も気になりますね(笑)」

明治時代に建てられた旧新宮郵便局を移築したこの建物は、レトロ建築としても有名。現在は営業こそしていないが、今も残る「丹鶴ダンス教室」という看板が当時の雰囲気を伝えてくれる。

<丹鶴ダンス教室 住所:和歌山県新宮市丹鶴2-5-22>

「旧チャップマン邸」;

人気作家になってからも、新宮市にある喫茶店などで原稿を書いていたという中上。そのなかで急ぎの原稿に対応するため、丸2日間も缶詰状態で執筆に励んだ場所として、森本さんに教えてもらったのが旧チャップマン邸だ。米国人宣教師のチャップマン家族のために建築された建物で、1952年頃から1978年まで旅館「有萬(アルマン)」として使用されていた頃に中上が滞在して原稿を執筆していたという。

「建物は木造3階建ての地下1階。新宮市出身の建築家である西村伊作が手掛けた、大正期のモダンな佇まいが特徴です。現在も中上健次さんが滞在された旅館時代の名残が各所に残っており、ファンの方々がよく訪れてくださいます」(施設職員)

1階には、中上健次に関する書籍や愛用品などを展示。窓から見える美しい庭を眺めながら、中上が滞在した2日間を想像するのも楽しい過ごし方かもしれない。

<旧チャップマン邸 住所:和歌山県新宮市丹鶴1-3-2 料金:無料 時間:9時~17時 休館日:月曜※月曜が祝日の場合は翌平日、年末年始>

そして、(現在も続く)「熊野大学」の会場「雲取温泉 高田グリーンランド」。

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061226/1167151875 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070219/1171856820 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070306/1173200489 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070325/1174834138 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070608/1181270457 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100202/1265126531 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100916/1284660360 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110131/1296441629 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110202/1296628031 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110709/1310238338 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110718/1310962569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20121019/1350608158 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131120/1384914970 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141226/1419566569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141231/1420048372 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150610/1433916539 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151211/1449803224 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160219/1455889412 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160228/1456671138 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160830/1472563277 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160905/1473088215 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170309/1489029208 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180529/1527564232 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180626/1529984303 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/14/013029 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/04/22/102037 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/01/24/083741 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/03/31/113615 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/22/111158 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/04/15/113029 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/12/07/082948 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/12/31/030439 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/03/28/094158 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/04/10/125934

*2:森本祐司。