「ゼロを掛けて、ゼロ以外の答えを出せるような数はない」

以前、÷0は無限じゃないかと考えたけれど*1、それは違う。
テッド・チャン「ゼロで割る」(浅倉久志訳、『あなたの人生の物語』、pp.135-171)の冒頭;


ある数をゼロで割っても、その答えは無限大という数にはならない。その理由は、割り算が掛け算の逆と定義されているからである――もしある数をゼロで割り、つぎにその数にゼロを掛ければ、もとの数がふたたび得られるはずだ。しかし、無限大にゼロを掛けても答えはやはりゼロであって、ほかの数にはならない。ゼロを掛けて、ゼロ以外の答えを出せるような数はない。したがって、ゼロで割った結果は文字どおり”不定”なのである。(p.137)