「プーチン」がいっぱい

海原純子*1「「ミニプーチン」氏」『毎日新聞』2022年3月13日


曰く、


しかし、考えてみると企業や組織の中でプーチン大統領とよく似た資質を見ることがしばしばだ。
人の話を聞かない。人の言うことは意に介さず、気に留めない。自分がやりたいように、自分のペースで物事をすすめ反対意見を唱える人を無視する。根拠がないことを主張し、それを指摘すると詭弁を弄してはぐらかす。権力があるからすべて許されてしまい、内部はイエスマンで固められている。
強く反論すると、逆に自分は被害者で傷ついた、などと反論するから何も言えなくなる。にらまれると事あるごとに暴言が飛んでくる。
私は産業医の仕事をしているが、その中でこうした「ミニプーチン」氏に苦しめられている方と面談する機会がある。こうした機会はコロナ禍の中で増加している。ミニプーチン氏の切り札は、「あなたの代わりはどこにでもいる」という雰囲気の中で発せられる言葉の数々である。核兵器ではないが、職を失えば生活が成り立たない勤労者には核と同様の恐怖を与えるメッセージとなる。
一方的な話での判断を避けるためにミニプーチン氏と面談すると、こちらの話は聞かず、不正確な知識を振りかざすので、確かに部下は大変なストレスだと認識できる。
あと、〈ミニ晋三〉とか〈ミニ洋文〉とかも多いのだろうか?