貨幣の危機?

杉本崇*1「銀行での小銭・硬貨の入金に手数料 ゆうちょが新設・りそなは値上げ」https://smbiz.asahi.com/article/14388478


今月から、ゆうちょ銀行で硬貨入金の手数料が導入された。また、既に導入しているりそな銀行は値上げした。
これは、業務の効率化の名の下に行なわれているわけだけど、これによって困るのは、大量の硬貨を入金しなければならない神社やチャリティ募金を行なっている団体;


今西憲之*2「ゆうちょ銀「大量硬貨両替」手数料で防衛策 大阪の神社「商店主とコインチェンジ」作戦」https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1f75baf129450ef3595ea14174519f27c56648


また、岸本元氏*3曰く、


ところで、貨幣制度というのは、ユーザーたちが(紙にせよ金属にせよ)貨幣の物質性をエポケーすることによって成り立っている。つまり、マネーの価値というのは、貨幣に使用されている紙とかアルミニウムとか銅とか銀とかの素材としての価値とは関係ない。でも、硬貨入金手数料が或る水準を超えると、みんなコインをマネーとしてではなくアルミニウムの塊、銅の塊として考えるようになるのでは? まあ、国家や市場制度に完全に包摂されていない社会においては、コインが貨幣ではなく、アクセサリーをつくる原料として、所有や取引の対象となっているというのはそう珍しくないことなのだが。