新宿区!


曲亭馬琴*1の最後の家は「四谷信濃坂」にあった*2。現在の新宿区霞ヶ丘町
ところで、オリンピック/パラリンピックの開会式や閉会式が行われた国立競技場はこの新宿区霞ヶ丘町に位置する*3。メディアなどでは、東京都新宿区の国立競技場というふうに報じられることも多い。それを聞くと、何時も、そうなんだ! と軽く驚く。まあ東京人にとっては、そんなことは当たり前だろう。また、東京とは無縁の田舎者は、東京都新宿区というのを、そういうものだと素直に受け取るのだろう。私のように中途半端に東京に関わっている者には、これは常に意外である。曲亭馬琴の家も現在は神宮外苑の中にある*4。渋谷区に「神宮前」という地名があるように、「神宮外苑」というと、反射的に渋谷区! と思ってしまう。或いは、「北青山」(港区)。だから、国立競技場も渋谷区にあると思っていた。Wikipediaによれば、「新宿区霞ヶ丘町*5は元々「千駄ヶ谷」の一部とされていたが、明治期に「四谷区」に編入された*6。「四谷」の一部と見做されたわけだ。ところで、中央線の線路が新宿区と渋谷区その他の区を隔てると思っていた。しかし、それは絶対ではなかった。飯田橋や市ヶ谷辺りでは中央線以前に外堀という境があったわけだけど、四ツ谷から先はそうではない。現在の「霞ヶ丘町」が「四谷区」に編入されたのは1878年、現在の中央線である甲武鉄道の新宿‐牛込(現在の飯田橋)間が開通したのは1895年のこと*7
さて、霞ヶ丘町には霞ヶ丘団地という都営住宅があったが、新国立競技場建設のために取り壊され、住民も立ち退かされてしまった。しかし、「霞ヶ丘団地」という都バスのバス停は残っている*8。このバス停があるのは新宿区ではなく渋谷区神宮前2丁目だと思う。