75で第10位

不破雷蔵*1「日本は第10位、自由判定…インターネット上の自由度ランキング2021年版」https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20211014-00263077


フリーダム・ハウス*2によるFreedom on the Net 2021の紹介。
Freedom on the Netとは、


インターネットを利用する際の自由度を指標化したもの。インターネット技術の発達と普及に伴い、現実社会における自由の保護同様、オンライン上での自由も重要となってきた。技術の発展の一形態であり、新様式の情報伝達手段でもあるインターネット上の自由が確保されることで、閉塞感のある社会を打破し、自由と民主主義を支えるエネルギーとなりうるからである。他方、インターネットに係わる技術は諸刃の剣のようなもので、政府や権力者による自由の束縛のツールとしても使われ得るため、インターネットの自由の確保は、社会全体の自由にとっても欠かせないものとなる。

計測精査対象となるものは大きく3要素。「アクセスのための障害(インフラや経済面や法令面など)」「内容の制約(検閲やフィルタリング、ブロッキング、自主規制など)」「個人の権利への侵害(プライバシーへの監視行為や不法対処など)」。各要素ごとに細かいチェック項目を用意し(合計で100)、チェックに該当する値が大きいほどインターネット上の自由度も高いと判断される。チェック数=スコアが100~70が自由(Free)、69~40がやや自由(Partly Free)、39~0は不自由(Not Free)の判定が下される。


おおよそアジアから中東地域は不自由、北アメリカ、欧州地域は自由、南アメリカやアフリカはやや自由地域が多い。

具体的な値では、トップはアイスランドの96点、次いでエストニアの94点。以後カナダとコスタリカ、台湾、ドイツ、フランスとイギリス、ジョージア、そしてイタリアと日本が続く。今回の序列の限りでは日本はイタリアと並び第10位。数ポイントの差は誤差となり得ることを併せ考えると(3項目の合算で1項目につき1ポイントの誤差が生じると試算すれば、合計値では3ポイントまでが誤差となりうるとの考え)、おおよそドイツから南アフリカぐらいまでは日本と同程度のインターネット上の自由が得られていると見てよいだろう。なおアジア太平洋地域で自由判定を受けているのは、台湾と日本、オーストラリアのみである。

インターネット上の自由度で不自由判定を受けた国を見ると、中国やイラン、ミャンマーキューバといった強硬的な政治手法に基づいて国を統治している国や、宗教あるいは時代背景的に情報の自由な伝達が国家運営上望ましく無いと判断されている国が多い印象がある。

全ての国家が対象となっているわけではない。「アジア太平洋地域で自由判定を受けているのは、台湾と日本、オーストラリアのみである」というけれど、それなら、新西蘭はどうなの? という疑問は誰もが持つのでは? でも、新西蘭は対象に含まれていない。2021年版で対象になってるのは70か国のみ*3
イメージとしては、70点以上というのは、大学の試験に喩えてみると、B判定以上といううことになる。まあ、この喩えで言えば、60(C判定)で切って、それ以上の国を単位取得国家というと、わかりやすいか。下の方は、喩えが大学から高校になって申し訳ないのだけど、30で切って、それ以下を赤点国家と呼べばイメージしやすいだろうか。

*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20141013/1413176595 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20141231/1420039908

*2:https://freedomhouse.org/ See eg. https://en.wikipedia.org/wiki/Freedom_House

*3:ユーザー数でいえば、これで世界のネット・ユーザーの88%をカヴァーできるという。