デュークは生き残り

さいとう・プロダクションのツィート;


ビッグコミック編集部のツィート;
朝日新聞』の記事;

漫画家さいとう・たかをさん死去、84歳 「ゴルゴ13」の作者

小原篤2021年9月29日 13時28分


 「ゴルゴ13」などの人気作品で知られる漫画家さいとう・たかを(本名斉藤隆夫=さいとう・たかお)さん*1が、24日午前10時42分、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。84歳だった。葬儀は親族で行った。

 連載誌「ビッグコミック」を出す小学館が29日、発表した。1968年から現在も連載中の「ゴルゴ13」は、早くから脚本・作画などの分業体制を作っていたさいとうさんの遺志により、さいとう・プロダクション*2が同誌編集部協力のもと継続するという。

 単行本は今月202巻が刊行され、累計発行部数は3億部を超す。7月の201巻発売時には「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。それまでの記録だった「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治さん作)の巻数を超えた。

 さいとうさんは和歌山県生まれ、大阪府育ち。中学卒業後、家業の理髪店で働きながら漫画を描いて55年「空気男爵」でデビューした。上京した翌年の59年に漫画家仲間と「劇画工房」を結成。方向性の違いから約1年で解散したが、60年に自ら「さいとう・プロダクション」を設立し、「漫画」よりリアルな「劇画」の旗を掲げ続けた。

 映画を意識し、脚本と作画の担当者を分ける体制をとった。68年に連載を始めた「ゴルゴ13」は、現実の世界情勢を織り込んだ物語と、超人的な能力で困難な狙撃を成功させる主人公の活躍が相まって、人気作となった。主人公のモデルである故高倉健さん主演で73年に映画化され、アニメ化もされた。

 一度も休まず50年を超えて連載を続けたが、2020年5月に新型コロナウイルスの影響で初の休載。仕事場の「3密」を避ける対策を施し7月に再開した。

 ゴルゴ連載50周年と漫画文化への貢献を理由に、19年に手塚治虫文化賞特別賞を受賞。「体力の衰えはいかんともしがたいですが、やれる限り頑張ってみたい」と語っていた。

 代表作はほかに時代劇の「無用ノ介」「影狩り」、池波正太郎原作の「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」、特撮番組になった変身ヒーロー物「バロム・1」や、大地震後の世界を少年が独り生き抜く「サバイバル」など。03年に紫綬褒章、10年に旭日小綬章。(小原篤
https://www.asahi.com/articles/ASP9Y4FHYP9YUCVL00S.html

2019年にEテレの『SWITCHインタビュー 達人達』で工業デザイナーの山中俊治氏との対談*3を視たときはとても元気そうだったのだけど。
さて、「劇画」というのは〈紙の映画〉だった。「脚本・作画などの分業体制」というのも映画なら当たり前のこと。私見によれば、〈紙の映画〉たる「劇画」というのは映画に対する復讐でもあった。東大卒の山田洋次、京大卒の大島渚ということに表れているように、戦後、映画界は高学歴エリートの世界となり、学歴のない人たちは締め出されてしまった。〈紙の映画〉はリアルの映画作家たちが撮りたいとは思っても予算上その他の理由で実現不可能だったシーンを〈紙の上〉で実現していったのだった*4