日付けはわからず

堀井憲一郎「なぜ『サザエさん』の家にはエアコンがないのか 「サザエさん世界」に残る昭和の謎を探る」https://news.yahoo.co.jp/byline/horiikenichiro/20210831-00255961 *1


この中で、冷房について語られているところ;


1974年以前の日本では、新しい集合住宅以外は、あまりエアコンは設置されていなかった。特にサザエさん家のような「日本式家屋の一軒家」にはまず設置されていない(窓枠も変えるなどの大掛かりな改造が必要だったから)。

ちなみに1960年代の日本で、クーラーが稼働していて自由に出入りできるところは、都市部でも銀行とデパートくらいであった。それ以外の商店には冷房装置はまずなかった。高級レストランにはあったのかもしれないが、ふつうの食堂には扇風機がまわっているばかりである。

電車にも冷房はついていなかった。

いま考えると、どうやって夏のさなかにあの超絶ラッシュの電車に乗って押し合いへしあいして耐えていたのか、よく覚えていない。

でも1970年代の電車には断固、冷房がついていなかった。(とくに関東)

国電」の、つまり山手線などの冷房化が進むのは1980年代になってからである。

1980年代は、冷房のついているアタリの列車と、ついてないハズレの列車が走っていて、どちらが来るのかどきどきしながら待っていたものである。(前と後ろが冷房車で、まんなかは冷房していない、という編成もあった)

国電の空調化は路線によって格差があって、山手線や京浜東北線は空調化率が高かったが、総武線(黄色い電車)の空調化は立ち後れていた感があった。きっと千葉動労に対する国鉄当局の嫌がらせなんじゃないかというような声もあった。しかしながら、1980年代の半ばくらい、つまりバブルの前夜あたりまでには国電の空調化はほぼ達成されていたんじゃないかと思う。空調化が最後まで進まなかったのは地下鉄で、地下鉄の空調化は1990年代に入ってからだったのではないかと思う。とはいっても、今書いたことは曖昧な記憶でしかなく、具体的に何年の何月からと日付を入れることはできないのだった。
それから、大学の空調化も平成(1990年代)に入ってからで、私の記憶によれば、大学空間(室内)の禁煙化と同時並行的に進められた。