吃驚マークを忘れるな!

承前*1

昼間たかし「小山田問題で批判された「90年代サブカルチャー」 実は『孤独のグルメ』人気の立役者だった」https://news.yahoo.co.jp/articles/22b2e3b91ce5e9b76a34d8aef4c335e6e0747bb4


雑誌『GON!』が言及されている;


ただ、現在の多様な文化の一部が、90年代サブカルに源流を持つことは間違いないでしょう。そのひとつの象徴が月刊誌『GON!』(ミリオン出版)です。

GON!』は小さい級数の活字を使ってページを埋め尽くした雑誌でしたが、そのテーマは多種多様でした。廃墟探訪のページがあるかと思えば、「まずいジュース」という触れ込みで、コンビニドリンクを総当たりでレビューするページもありました。ただ途中で読者に飽きられると思ったのか、「もっともおいしいコーラ」をテーマにしている号もありました。

 そのほかにも「サブカルの殿堂」として知られる中野ブロードウェイ(中野区中野)の全店舗解説や、駄菓子「よっちゃんいか」の取材など、最近の個人の趣味ブログやカルチャー系ニュースサイトの街ネタの源流は、この時点でほぼ網羅されていました。

 どれも今では世間、特にインターネット上で人気が出そうなネタですが、当時は人には言えない、少々気持ち悪がられる趣味でした。

たしかに、『GON!』といえば、「小さい級数の活字」と混沌とした「多種多様」さだった。「90年代サブカル」の恥部であるとともに、「90年代サブカル」の可能性の中心でもあった。
ただ、昼間氏が述べているのはそのきれいな部分にすぎないとはいえるだろう。きれいと汚いをひっくるめた証言としては、以下のようなものがある;


山林生活「ミリオン出版GON!」によって人間形成された末路」https://real-hunter.com/blog/20181008-2.html


曰く、


当時のサブカル本として有名だったのは「Quick Japan」です。「GON!」はサブカルとは違いちょっと異質な感じでした。
この二冊を愛読していた当方は当然ながらまともな青年期を過ごしてきていなかったのでしょう。

この二冊に関しては同じサブカルっぽい感じの雑誌ではありますが、内容は少し違います。

前者の「Quick Japan」についてはどちらかというとライトなサブカルチャーで、大衆向けに近いけれど大衆が興味を抱かない部分に焦点を当てていた感じでした。音楽やファッション、小説、映画、舞台など少しおしゃれなサブカルチャーといった感じです。

場所で表すと下北沢や吉祥寺、原宿といった感じ。

後者の「GON!」についてはディープで、フィクションかノンフィクションかわからないといった感じのものが多く、違法スレスレ、なんだったら記事にして本当に大丈夫なのか?というようなものもありました。今のカルチャーで例えるのであれば2ちゃんねるやユーチューバーの「○○やってみた」とかを雑誌で掲載していた感じです。

場所で表すと歌舞伎町、山谷、吉原といった感じ。

当方はどちらかというと後者の「GON!」の方が好きで、毎号購入していました。
実際に好きな街も下北とか原宿よりも歌舞伎町とか道玄坂上とかそんな街の方が居心地がよかったです。

見ることのない闇社会についてや、廃墟、心霊スポット巡り、風俗関連などから「吉野家の牛丼の牛肉量を店舗ごとに調べてみた」とか誰も興味を持たなそうだけど、ちょっと気になる記事が掲載されていました。雑誌自体は薄いのですが、文字は小さく、読み応えのあるものだったと記憶しています。当方が活字を読んだとすればこの雑誌ぐらいだったのでしょう。出版社であったミリオン出版で働きたいとも思った時期がありました。街探索とか廃墟巡りが好きになったのもこの雑誌のおかげだったのだと思います。

また、


ジャッカル佐崎「ミリオン出版・B級ニュースマガジン「GON!」を適当に紹介する」https://www.midnightmeattrain.com/entry/2018/09/21/220800


冒頭の、


ミリオン出版が消えてしまう~~~ッ! というニュース*2で思い出したのが、大学時代アホみたいに熟読していた雑誌「GON!」である。B級ニュースマガジンと銘打ち、出どころの怪しいウワサ…芸能人情報からアンダーグラウンドネタ、怪奇な都市伝説など、なんでもかんでも扱っていた。その他にもVOWな街ネタ、体当たり検証企画、幅が広すぎる有名人インタビュー、漫画・映画・ゲームのレビュー、ただのエロ記事、何1つわからない怪文書など、とにかく「面白いものなら何でもアリ」を地で行く雑誌であり、おれが今の仕事に就いているのも、同人誌などに参加しているのもすべて「GON!」の影響が大きい。
という口上に続いて、2000年4月号の紹介;

はい、2000年4月号の「GON!」です。定価390円。表紙には「日本一汚い川綾瀬川に巨大怪魚を発見!」「江古田のファミレスに古代人が出現!」「ジャンケン脱衣ゲームに暴力画像が!」「痛みなんか忘れさせてくれる歯医者のサービスとは?」等のうろんな文字列が並んでおり、「何一つ人生の役に立たないことしか書いてありませんよ」と親切に教えてくれている。こーいうのがコンビニに並んでたんだからいい時代だったよな。