「修業」として

海原純子*1「プロセスにも意識を」『毎日新聞』2021年5月9日


抜書き;


(前略)病気は治療を続ける経過の中で自分の心をどのように保ち不自由な時間のなかで出来ることをしながら少しでも心地よく自分らしく生きるかを習得する修業のような側面がある。治る、治らないというものの見方とは別の軸である。こうした内面の変化は表には見えてこない。治療の困難さや病気の痛みとは別の困難さを受け入れ自分の心の尊厳を守りながら生きるプロセスがどんなに人の精神を成長させるかに目を向けると私は人間への敬意と称賛を送りたくなる。そしてはっきり「私はそれを見ています」と表現することにしている。