アーカイヴ

アーカイブの思想

アーカイブの思想

  • 作者:根本 彰
  • 発売日: 2021/01/19
  • メディア: 単行本

根本彰『アーカイブの思想』を図書館から借り出している。
アーカイブ」とは何か;


ここでアーカイブというのは、後から振り返るために血を蓄積し利用できるようにする仕組みないしはそうしてできた利用可能な知の蓄積のことです、メディアや教育など知に関わる諸制度にアーカイブ的な要素がありますし、そう意識しなくともアーカイブとなるものはたくさんあります。たとえば、この本もそうですが、書物や論文において注や引用文献一覧をつけるのは知のアーカイブと当該著作との関係を明らかにすることです。あるいは目次や索引をつけることも一般的ですが、これはその著作が表現している知の構造を明らかにしたり、使われている個々の用語(言葉、概念)と著作全体との関係を明らかにしたりすることです。個々の著作がすでにあるアーカイブとの関係で書かれ、またできた著作は新たに血のアーカイブを構成する可能性をもつことを自ら表明しているわけです。(pp.9-10)
また、「日本では図書館は本を無料で借りられる施設であったり居場所として使われていたりしても、それ以上のものではなく、社会にとって不要不急の存在とされているのはなぜなのか」。「日本で図書館の役割が受け入れられておらず、司書という職業が確立されていないのは、知を蓄積して活かすという考え方が十分に理解されていないからではないかと思わざるをえません」(p.11)。