「本を焼く者は、やがて」

渡辺輝人弁護士*1曰く、

しんぶん赤旗』曰く、


2020年10月1日(木)

菅首相、学術会議人事に介入
推薦候補を任命せず
安保法批判者ら数人


 1日から任期が始まる日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかったことが30日、本紙の取材で分かりました。推薦者が任命されなかったのは過去に例がありません。任命されなかった科学者のなかには安保法制や共謀罪を批判してきた人も含まれています。新政権誕生後、菅首相による恣意(しい)的な人事が明らかになったのは初めてで、学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます。(取材班)

前例ない推薦者外し
 日本学術会議法は、会員(210人)を同会議の推薦に基づいて、首相が任命すると定めています。会員の任期は6年間で3年ごとに半数が交代します。1日から半数の新会員の任期が始まります。会員は特別職の国家公務員(非常勤)です。

 同会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授によると、29日夕方に同会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡がありました。他にも数人、名前がなかった科学者がおり、「間違いではないか」と考えた事務局が政府に問い合わせると、「間違いではない。理由はノーコメント」と返ってきたといいます。

 松宮教授は2017年に国会の参考人質疑で共謀罪法案について「戦後最悪の治安立法」などと批判していました。松宮教授を知る学術会議のある会員は、「松宮教授の学術的な貢献は申し分ない。会員を外されたのは、政治的判断としか思えない」と話します。複数の関係者によると、ほかにも安保法制に反対した科学者が任命されていないといいます。

 同会議は約87万人の日本の科学者を内外に代表する機関。首相所轄ですが、政府から独立して政策提言などをします。17年には、当時の安倍政権が進めていた大学など研究機関による防衛省の軍事研究への参加について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」との声明を出し、防衛省の軍事目的の研究に参加しない姿勢を明らかにしました。

 同会議の事務局は「1日に公表予定であり、現在は答えることはできない」と回答。会員に推薦した科学者が任命されなかったことは「過去にはなかった」としています。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html


2020年10月1日(木)
学術会議への人事介入
菅首相が拒否した6人の氏名分かる


 日本学術会議は1日、東京都内で総会を開き、山極寿一前会長(京都大学前総長)が、同会議が推薦した新会員のうち6人が菅義偉首相により任命を拒否されたことを明らかにしました。山極氏は退任のあいさつで「日本学術会議法第7条で『推薦に基づき』とあるのは重い規定。任命拒否は日本学術会議の歴史になかったことで重大だ。大変残念だ」と述べ、菅首相に説明を求めていると報告しました。

 6人の名前は公表されませんでしたが、本紙の取材に、小沢隆東京慈恵会医科大学憲法学)、岡田正則早稲田大学行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学歴史学)、芦名定道京都大学キリスト教学)、宇野重規東京大学政治学)の6人の教授が任命を拒否されたことを明らかにしています。多くが安保法制や共謀罪、沖縄の新基地建設などに反対を表明しています。

 山極氏は任命拒否の理由を示すよう菅首相あてに文書を提出したものの、現時点まで説明はないと報告。「日本学術会議内閣府と密接な関係を持つが、命令を聞く組織ではない。科学者が業績を精査して推薦したのだから、説明もなく任命しないことは重大な問題だ」と強調し、新しい会長らが、この問題を議論し、今後対応するよう求めました。

 日本学術会議の会員は210人で任期は6年。3年ごとに半数が改選されます。同会議は今回の改選にあたり、105人の推薦者を8月31日に内閣府に提出しましたが、総会直前の9月28日夜に、任命しない理由を言わずに6人を推薦名簿から外してきました。

 総会で新会長に選出されたノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章東京大学教授は、総会後の会見で「重要な問題なので、しっかり対処していきたい。学問の自由、学術会議の中立性にもかかわることだと思っている」と話しました。

 小沢、岡田、松宮の3氏は連名で、任命拒否の撤回に向け総力であたることを求める要請書を日本学術会議会長あてに提出し、出席した会員に配りました。

 本紙の取材に総会出席の会員からは、この問題への疑問や批判が出ました。新会員になった吉岡洋京都大学特定教授(美学・芸術学)は、「学問にも口を出すという菅政権による宣言だ」と批判。「こんな介入がまかり通れば、学者が萎縮する」(関西の国立大学教授)、「学術会議の目的は政策の提言で議論の場。これは科学者に議論させないということだ」(学術団体役員)などの声も聞かれました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100100_00_0.html

さて、政治的に正しい表現は「拒否」ではなく「見送り」であるらしい;


日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201001/k10012643361000.html


この「拒否」(或いは「見送り」)の適法性に対する疑義については、例えば、


「「この政権、とんでもないところに手を出してきた」 学術会議任命見送られた松宮教授」https://this.kiji.is/684364629570634849
渡辺輝人「菅総理による日本学術会議の委員の任命拒絶は違法の可能性」https://news.yahoo.co.jp/byline/watanabeteruhito/20201001-00201090/


を参照されたい。
住友陽文氏*2曰く、


また、津田大介*3は、これは決して突発的なものではないという;
See also


菅義偉日本学術会議の推薦候補6人の任命を拒否。「極右政権」の本質をむき出し」https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2020/10/02/084046