Lazy against the machine

毎日新聞』の記事;


目覚まし2個、「起床装置」でも起きられず… JR九州駅員が寝坊 始発電車に乗客乗れず
6/8(月) 10:33配信


 JR九州は7日、日豊線亀川駅大分県別府市)で宿直勤務していた20代の男性駅員が寝坊したため改札口が開かず、乗客が同日の始発電車に乗れなかったと発表した。

 同社大分支社によると、駅員が定刻通りに起床できなかったため、改札口のシャッターが開かず、亀川駅を始発とする午前5時48分発の電車(大分行/2両編成)が乗客を乗せずに発車した。駅の防犯カメラなどで確認したところ、少なくとも乗客9人が始発に乗れなかったとみられる。

 駅員は6日から一人で宿直勤務をしており、7日午前0時20分ごろに就寝。始発30分前に起床するはずだった。

 駅員は目覚まし時計2個とベッドの上半身側が定刻で持ち上がって起床を促す「起床装置」をセットしていたが、二度寝してしまったという。始発発車とほぼ同時刻に駅員は目を覚まし、シャッターは午前5時50分に開けられた。

 JR九州大分支社は「再発防止に努めるとともに、職員を指導してまいります」と陳謝した。【辻本知大】
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f2fdd9b83ac8a26d2f99c74be67269b5118376a

この「 起床装置」って、辺見庸の『自動起床装置』*1に出てきた奴ですよね。この小説では、たしか「自動起床装置」と(人力)の「起こし屋」とが対立していたのだが、「起こし屋」が「寝坊」したらどうするのかという無限後退に引き込まれてしまい、それで夜も眠れなくなって、眠れないということは起きる必要もないということで、取り敢えず「寝坊」問題は解決してしまうことになる。しかし、「起こし屋」の「寝坊」問題に引き摺り込まれた人が「駅員」の業務なんかしたら、危険でしょうがないということはあるだろう。ただ、この場合、「乗客を乗せずに発車」してしまった電車の運転士は、プラットフォームに客も駅員もいないことを訝しく思わなかったのだろうか。
自動起床装置 (文春文庫)

自動起床装置 (文春文庫)

  • 作者:辺見 庸
  • 発売日: 1994/09/10
  • メディア: 文庫