博物館の言い分

承前*1

京都新聞社「「原則無料」なのに値上げで疑問続々 国立博物館が新料金発表、その理由とは」https://maidonanews.jp/article/13158902


国立博物館の入場料が値上げされる。
京都国立博物館の言い分は、


京博はすでにホームページで値上げを告知しています。その告知文には「ランニングコストが経費を圧迫している」「観覧料の見直しが避けることができない」と悲痛な文言が並んでいます。値上げの原因を京博に聞いてみました。

 総務課の三島貴雄さんは、値上げの主な要因に人件費や物価の上昇を挙げます。京博は、展示の運営などを民間企業に委託しており、そうしたスタッフの人件費が上昇しているそうです。追い打ちをかけるように、光熱費や設備維持などのランニングコストがかさみ、文化財の収集や保管といった博物館本来の業務が制約されつつあるといいます。

 では、経費が増える中で博物館は、何も手を打たなかったのでしょうか。三島さんは「これまでにもいろいろな対策をしてきた」と説明します。博物館で必要なものは入札を徹底し、経費を圧縮するなど、節約に努めてきたそうです。

 さらに、展示物への影響がない場所では空調をなるべく切ったり、事務棟では正午から1時間の昼休みは照明を落としたりしています。また、京博の魅力をアピールし、新たなファンを獲得しようと、敷地内でファッションや食のイベント開催を重ねています。

 さて近年、日本を訪問する外国人観光客が増加しています。日本の美が集まる博物館にも多くの外国人が訪れているはずで、収入も増えていそうです。三島さんも「確かに外国人の入館者が多くなり、観覧料収入も増えています」と認めますが、「多言語対応の説明表示や音声ガイドを用意せねばならず、増加した観覧料収入はそうした費用へと消えていきます」と事情を明かします。

また、

国立博物館なら国の予算に頼ればいいのではないかとも思いますが、三島さんは「国の財政は厳しく、政府予算に頼ることもできません」と明言します。さらに「確かに英国の大英博物館は無料ですし、ほかの国でも無料の博物館はあります。しかし、そうした国では寄付をする文化が根付いていることが多いです。残念ながら日本とは事情が異なります」と理解を求めます。