アフリカの客人

冨田すみれ子*1「日本にも、凍える寒さの中で野宿する「難民」がいる。支援スタッフがいま伝えたいこと」https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/nanmin-support-winter


「難民支援協会」*2 の活動について。


「難民」という言葉を聞くと、どこか遠い国の話に感じる人も多いかもしれない。

しかし、実は日本にも、難民として日本に来て、凍える寒さの中、野宿生活を続けざるをえない人々がいる。

その多くはアフリカ出身で冬の寒さを経験したことがなく、また、日本の冬の厳しさを知らずに国から逃れてきた人々だという。


難民支援協会の職員が勤務するオフィスには、日本に難民として来た人々に食事を提供したり、生活相談を実施するスペースがある。

支援協会で広報を務める伏見和子さんは「私が今朝、事務所に到着した時にも、すでに入り口前に5人ほど人々が待っていました」と話す。

「そのうち4人の方はホームレス状態に陥っている方々です。昨晩も雨で、今朝も寒かったので、急いで事務所の扉を開けて部屋を暖めると、ぐたっと倒れこむように、体を休めたり睡眠を取ったりしている方もいらっしゃいました」

公園や路上などで夜を過ごすが、寒さや安全上の問題などであまり寝付けず、日中に数時間、仮眠をとっていく人も少なくない。


2018年度(18年7月〜19年6月)、同支援協会に個別支援を受けたのは62カ国から逃れてきた623人。うち6割がアフリカ諸国出身者だった。

広報の伏見さんは「アフリカ諸国出身者にとって、日本の冬はとても厳しい」と話す。

多くの人々は、半袖にサンダルという服装でスーツケースやかばん一つで単身、日本に到着する。そのため、事務所では、コートや手袋の防寒具、寝袋などを提供している。

何故、わざわざ日本に来て「ホームレス」になるのか;

この事務所のほかに同協会が管理しているシェルターが約30部屋ある。生活の目処がたつまで、そこに住むことができる。伏見さんは話す。

「人にもよりますが、約3カ月ほど留まったり、もっと長い期間いざるを得ない人もいます。シェルターは満室の状態が続いていて、ホームレス状態に陥ってしまう人がでてくるというのが現状です」

2018年1月の「難民認定制度の運用の更なる見直し」*3実施により、難民申請後8カ月経過しなければ、多くの人が就労が認められず、国民健康保険加入などの公的サービスも受けられない。