- 作者:張 愛玲
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/05/09
- メディア: 文庫
だらだらと非集中的に読んでいた張愛玲『傾城の恋/封鎖』(藤井省三訳)*1を最近読了。
上海人を礼賛したエッセイ「さすがは上海人」、太平洋戦争開戦直後の日帝占領下の香港を記録した「戦場の香港――燼余録」、自らの生い立ちを綴った自伝的エッセイ「囁き」、上海と香港を舞台にした短篇小説「傾城の恋」、日本軍占領下の上海を舞台にした短篇小説「封鎖」という変則的な構成になっている。共通するのは、日本軍占領下の上海、多分現在の常徳路の愛丁堡公寓(Edinburgh House)*2で書かれ・発表されたということ。藤井省三氏の「解説」は周到であり、とくに張愛玲と日本との関係について、啓発されるところが多々あった。張愛玲を初めて日本語で紹介した若江得行のこと(pp.220-221)、戦後張愛玲は「反共文学」としていち早く紹介されていたことなど(p.221)。
さすがは上海人
傾城の恋
戦場の香港――燼余録
封鎖
囁き
解説(藤井省三)
年譜
訳者あとがき
*1:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/10/10/130943 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/01/103415 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/13/030054 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/12/04/003024
*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070120/1169320650 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080829/1220001885 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170123/1485159345