Too hot to handle?

NHKの報道；

ニューヨークで猛暑 市長が非常事態宣言 一部で停電も
2019年7月22日 12時48分

厳しい暑さに見舞われているアメリカ ニューヨーク市では市長が非常事態宣言を出す中、一部地域で暑さの影響とみられる停電が発生し市が対応に追われています。

アメリカの東海岸などは、20日から21日にかけて厳しい暑さとなり、日中の最高気温が35度となったニューヨーク市では市長が非常事態宣言を出し、多くの野外イベントなどが中止になりました*1。

こうした中、21日の夕方から市南部のブルックリン地区やクイーンズ地区で停電が起き、日本時間の22日午前10時半現在およそ５万世帯が停電となっています*2。

ニューヨーク市のデブラシオ市長は電力会社の社長の話として「一部の地域で施設への負荷が高まり、機器が故障したようだ」とツイッターで明らかにし、停電の規模が広がらないよう節電を求めるとともに病院などで支援が必要な場合は市役所や消防に連絡するよう呼びかけています。

電力会社によりますと電力の復旧は、日本時間の23日の午前０時ごろになるということで、暑さの中、ニューヨーク市は冷房のついたバスを介護施設に派遣するなど対応に追われています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190722/k10012003131000.html

この記述だと、「非常事態宣言」が出たのは21日以降であるとも読めるけれど、「非常事態宣言」が実際に出たのは（現地時間）19日；

Maya Kaufman “NYC Weather: Mayor Declares Emergency For Weekend Heat Wave” https://patch.com/new-york/new-york-city/nyc-weather-mayor-declares-heat-emergency-weekend-heat-wave
Liam Quigley and Lauren Cook “NYC weather: Heat emergency declared with 100-degree temperatures possible this weekend” https://www.amny.com/news/nyc-weather-1.33837468

さて、ブレット・ゴールドスタインはシカゴ市警のために「殺人予報地図」を構築した；

（前略）警察には満月の夜や夏の暑い晩、そして風が特に冷たい晩には犯罪が増えるという言い伝えがあった。そこでゴールドスタインは月の満ち欠けや過去の気温データ、風速に関するデータを比較してみた。しかし分析の結果、月の満ち欠けと殺人率にはほとんど相関がないことがわかった。気温が高いことや風の強さによって殺人が増えるという証拠もなかった。ただ気温が八度以上、たとえば一八度から二六度に一気に上がったりすると*3、犯罪率も一気に上がった。反対に気温が三二度を超えてかなり暑くなると、犯罪率は下がった。（ジリアン・テット『サイロ・エフェクト』［土方奈美訳］、pp.249-250）

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春文庫)

*1:See eg. Taylor Mims “New York Officials Cancel Ozy Fest Due To Heat Emergency” https://www.stereogum.com/2051854/new-york-officials-cancel-ozy-fest-due-to-heat-emergency/news/

*2:See Max Jaeger “10,000 New Yorkers lose power at height of Sunday heat” https://nypost.com/2019/07/21/10000-new-yorkers-lose-power-at-height-of-sunday-heat/ Rikki Reyna, Cathy Burke and Bill Sanderson “Power outages sparked by blistering heat wave; Brooklyn takes worst hit” https://www.nydailynews.com/new-york/ny-con-ed-power-outage-brooklyn-heat-20190722-bhsv3mxcqzfojnu3uemzndrv7u-story.html

*3:米国では温度単位として、一般的に摂氏ではなく華氏が使われる。原文は華氏で、それを訳者が摂氏に慣れている日本人に配慮して、摂氏に換算しているのだろうか。