本を読む(山崎まどか)

多屋澄礼「「優雅な読書が最高の復讐である」。山崎まどかさんが実践する、本との向き合いかた」https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/07/book-yamasakimadoka_a_23518726/


山崎まどかさん*1へのインタヴュー。
凄く面白かった。


小さな頃は本さえあればいいってくらい、本に夢中でした。10代の頃は本を読んで頭でっかちになっていたところがあったんですが、身体を壊したこともあって、読書ばかりして頭でっかちになっていてはいけないと思い立ち、読書から離れた時期もありました。

20代半ばから、また読書が楽しくなって、本を読むことを大事にしようと改めて思ったんです。読書は主体的な楽しみなのだと気づかされたのもこのときです。本を読むことで身体的にフィードバックしたい、血肉にしていきたいと思うようになりました。

映画や音楽、本、それぞれに魅力はありますが、映画は作品を作った人のヴィジョンに付き合うという要素が強いですよね。時間の流れもコントロールできない。

3分だけ映画を見るってことを、私はできないけれど、本を読むことは、何かの合間合間に3分だけでもできるんです。ページをめくるタイミングも自分のペースで選べますから。


洋書の翻訳もしているので、海外の本を原書で読むこともあるのですが、原書で読むのはずっと苦手でした。以前よりは読むスピードは速くなったけれど、文章のリズムや単語の難しさもあり、なかなかスムーズに読めない時もあります。

それでも翻訳本が出るなら、翻訳本を読むようにしていますが、どうしても読みたいと思った本は洋書でも買ってしまうし、装丁が可愛いとついつい手が伸びてしまいます。

難易度にかかわらず、どうしても読みたい、内容を知りたいと思える本を選ぶことが大事だと思っています。2、3ページ程度、最初は短くてもいいから読み進めていき、その1冊を完読する。「最後まで読んだ!」という達成感が、次の読書に繋がっていくと思います。


母の知り合いの話なんですけど、彼が小さかった時、学校で本の感想文を書く課題が出されて、その子は本屋さんへの道順やその本を選んだことについて事細かに書いて、感想は一言「面白かった」だけだったんですって。

それを授業で発表すると、クラスメイトからはブーイングが出たけれど、先生は切り口が面白いって評価してくれたという話があって。そのエピソードがずっと心に残っていて、そういうものを書きたい気持ちがずっとありました。

山崎まどかさんの父親は異端の、というかデリダマルクス経済学者である山崎カヲル氏だが、既に東京経済大学は定年退職しているのね。