鯔になる前に

高山義浩*1「海外でのボランティアに憧れる学生さんたちへ」https://www.huffingtonpost.jp/yoshihiro-takayama/volunteer-20180723_a_23487325/


「大学での講義で途上国の医療事情などを学生さんへと紹介しているためか、この時期*2になると、夏休みに向けたボランティアについての相談を受けるようにな」るという。「それに対する私の回答は20年間、ほとんど変わってい」ないという。


「まずは、あなたが関心をもった国について、楽しく旅行されたらどうですか? その国の悲しい部分を先に見ようとするのではなく、素敵なところを発見してみてください」

学生さんの「海外でボランティアしたい」という気持ちは立派なのですが、ある国をよく知りもせずに、いきなり援助したいというのは、その国に対して失礼だということに気がついてほしいのです。たとえば、「ネパールでボランティアをしたい」という前に、まず、「ネパールという国を知りたい」という動機があってしかるべきです。

知りもしない、行ったことすらない国の「貧困や無知」を勝手に想定し、そこで援助したいと希望する人には、きつい言い方ですが、その人の発想の「貧困と無知」がすでに見え隠れしています。現地の生活を無視した援助の暴走が、すでに大学生にして始まろうとしているかのようです。

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180124/1516767480

*2:これは7月23日付の記事である。