真空地帯!

『ハフィントン・ポスト』(『朝日新聞』)の記事;


2018年06月22日 10時18分 JST | 更新 2018年06月22日 10時18分 JST
防衛大学校過半数が下級生いびり。「粗相ポイント制」とは?
体毛に火を付ける、カップ麺をお湯なしで食べる、風俗店に行って撮影など。

朝日新聞社提供

防衛大、過半数が下級生いびり 「粗相」数え、体毛に火

 防衛大学校(神奈川県横須賀市)の学生だった福岡県の男性(23)が在校時に上級生らから暴行された事件を受け、防衛大が実施したいじめや学生間指導に関するアンケートの内容が判明した。当時の4年生の過半数が「粗相ポイント制」と呼ばれる激しい下級生いびりをしたことがあると回答していた。

 アンケートは2014年8月、当時の在校生約1800人を対象に聞き取りなどで実施したが、結果は公表されなかった。暴行を受けた元学生が当時の上級生らと国に損害賠償を求めて福岡地裁に提訴した訴訟で、弁護団が学年ごとに回答結果をまとめた文書を情報公開請求で入手した。弁護団はアンケートなどを基に、防衛大全体としていじめをする環境があったと主張する。


 弁護団によると、「粗相ポイント制」は下級生が不手際をした際に加算される「ポイント」を清算するという趣旨で行われていた。体毛に火を付ける▽カップ麺をお湯なしで食べる▽風俗店に行って撮影――などを強いていたという。

 回答結果をまとめた文書によると、粗相ポイント制を「やったことがある」と答えたのは、最上級生の4年生の57%。一方で「やられた」と回答したのは学年別に26〜52%だった。行為への認識を聞く設問では「許されない」との回答は0〜1%にとどまった。

朝日新聞デジタル 2018年06月22日 07時52分)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/06/21/defense-school-violence_a_23465231/

「いじめ」と「いびり」とはどう違うのかというのも興味深いのだが。
「アンケート」だけでなく、通時性の次元を遡った歴史学的研究もしていただきたい。その場合でも、史料はプライヴェートな日記や手紙ということになるのだろうけど。全くの思いつきなのだが、この「粗相ポイント制」は〈伝統〉としてしっかりと確立されているんじゃないかという気がしたのだ。防大は既に〈校史〉の編纂をおこなっているのだろうか。新たに編纂する際には、「粗相ポイント制」も〈伝統〉としてしっかり記述していただきたい。また、戦争の歴史ではなく兵士の日常生活の歴史としての軍事史を研究し、『明治・大正・昭和軍隊マニュアル』*1の著者でもある一ノ瀬俊也氏などはどんなコメントをするのだろうかと思った。
明治・大正・昭和 軍隊マニュアル (光文社新書)

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タイトルは野間宏*2の小説から。
真空地帯 (新潮文庫 の 1-2)

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