http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180515/1526356839に対して、
このコメントを読んで、壇ノ浦における二位尼(平時子)と安徳天皇の入水を思い出した。
nessko*1 2018/05/16 12:58
家族そろって天国に行った、ということでしょうか。日本でも一家心中はめずらしくありませんが、これは宗教テロになりました。中流の教養ある核家族が理念に沿って生活を築こうとする一例なのかもしれませんね。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180515/1526356839#c1526443131
『平家物語』の一節を宇月原晴明『安徳天皇漂海記』*2から孫引き;
主上、ことしは八歳にならせ給へども、御としの程よりははるかにねびさせ給ひて、御かたちうつくしく、あたりもてりかかやくばかり也。御ぐしくろうゆらゆらとして、御せなか過ぎさせ給へり。あきれたる御さまにて、「尼ぜ、われをばいづちへ具してゆかむとするぞ」と仰せければ、いとけなき君にむかひててまつり、涙をおさへて申されけるは、「君はいまだしろしめされさぶらはずや。先世の十善戒行の御ちからによッて、いま万乗のあるじとむまれさせ給へども、悪縁にひかれて、御運すでに尽きさせ給ひぬ。まづ東にむかはせ給ひて伊勢大神宮に御いとま申させ給ひ、其後西方浄土の来迎にあづからむとおぼしめし、西にむかはせ給ひて、御念仏さうらふべし。(Cited in p.18)
「この国は粟散辺地とて、心憂きさかひにてさぶらへば、極楽浄土とて、めでたき処へ具しまゐらせさぶらふぞ」となくなく申させ給ひければ、山鳩色の御衣に、びんづらゆはせ給ひて、御涙におぼれ、ちいさくうつくしき御手をあはせ、まづ東をふしをがみ、伊勢大神宮に御いとま申させ給ひ、其後西にむかはせ給ひて、御念仏ありしかば、二位殿やがていだき奉り、「浪のしたにも都のさぶらふぞ」となぐさめたてまッて、千尋の底へぞ入給ふ。
悲哉、無常の春の風、忽に花の御すがたを散らし、なさけなきかな、分段のあらき浪、玉体を沈めたてまつる。(Cited in pp.19-20)
- 作者: 宇月原晴明
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