逆襲はしない?

池田園子「サイボウズ式:自己分析をしても、本当の自分なんてみつからない──小説家・平野啓一郎さん」https://www.huffingtonpost.jp/cybozu/hirabno-20180426_a_23412897/


「就活」をする学生へのアドヴァイスとして、平野啓一郎氏、『私とは何か』*1で展開された「分人」論を語る。平野氏のいう「分人」というのは、要するに、G・H・ミードのいう「客我(Me)」*2ということだろう。不定形(アンフォルメル)なIの一部が特定の他者の触発によって、その都度その都度再帰的に私自身に現れること。さて、「分人」というのは幽霊(亡霊)でもある。マルクス主義的に言えば、物象化ということなのだろうけど、一旦生まれた「分人」を私自身がコントロールすることはできない。それどころか、奇妙な他者として回帰して私自身と対峙することもある。例えば、川上弘美『真鶴』*3

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

真鶴 (文春文庫)

真鶴 (文春文庫)