池田園子「サイボウズ式:自己分析をしても、本当の自分なんてみつからない──小説家・平野啓一郎さん」https://www.huffingtonpost.jp/cybozu/hirabno-20180426_a_23412897/
「就活」をする学生へのアドヴァイスとして、平野啓一郎氏、『私とは何か』*1で展開された「分人」論を語る。平野氏のいう「分人」というのは、要するに、G・H・ミードのいう「客我(Me)」*2ということだろう。不定形(アンフォルメル)なIの一部が特定の他者の触発によって、その都度その都度再帰的に私自身に現れること。さて、「分人」というのは幽霊(亡霊)でもある。マルクス主義的に言えば、物象化ということなのだろうけど、一旦生まれた「分人」を私自身がコントロールすることはできない。それどころか、奇妙な他者として回帰して私自身と対峙することもある。例えば、川上弘美『真鶴』*3。
- 作者: 平野啓一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/14
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- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10/09
- メディア: 文庫
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*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130704/1372890636
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050716 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20051214 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070515/1179237549 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080826/1219715105 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130617/1371437079
*3:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160523/1463970478 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160802/1470118140 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160916/1474052363