或るエヴィデンス

Via http://taraxacum.seesaa.net/article/455461306.html

谷口京子「「セックスすると妊娠」「処女にも生理」すら知らない…遅れすぎの性教育で危険な事態も」http://biz-journal.jp/2017/11/post_21431.html


日本における「性教育」の後退について。橋本紀子氏*1へのインタヴュー記事。
曰く、


今年5月、日本の性教育の遅れを示すような“事件”が起きた。

 アイドルグループ・STU48*2の石田みなみが動画配信サイト「ショールーム」のライブ配信中に誤って背後の生理用品を映してしまったところ、ファンから「非処女確定」などのコメントが殺到。炎上騒ぎになってしまったのである。

 このファンの反応でわかるのは、「処女には生理がない」という誤解があることだ。しかし、このような性に対する知識不足は「教育現場でもよく見られる」(橋本氏)という。

養護教諭として高校に赴任した教え子に聞いた話なのですが、性に関する知識以前に、そもそも体の構造を理解していない子がいることもあるそうです。経血がどこから出ているのかを知らない女子生徒がいたり、セックスによって妊娠することを知らず、『太った気がする』と保健室を訪れて妊娠が発覚したり……。そんな話を耳にしたこともあります」(同)

 子どもの学力や知識は地域性や家庭環境の問題とも関連しており、それらによって「情報格差」が生まれる。とはいえ、「処女には生理がない」「セックスによって妊娠することを知らない」というのは、情報格差以前の問題だ。

知らなかった。掴みのためとはいえ、けっこう強烈な話。
勿論、若い世代の日本人は「処女には生理がない」と信じていると断言することはできないけど、そういう「コメントが殺到」したということは、決して無視してかまわない超マイノリティということでもないということだ。まあ、地動説を信じる人や共産主義を信じる人と比べてどちらが多いのかということは気になる。
また、(高校生なのに)「セックスによって妊娠することを知らない」というのは、学校教育からすれば当然の帰結だということになる;

「日本の保健体育や理科の教科書は、性に関する内容がとても薄いんです。小学校の理科の教科書には『性交』という言葉がなく、『人の発生や成長』を学ぶ単元があっても、性交についてはまったく書かれていません」(同)

 その理由は、文部科学省が「受精に至る過程については取り扱わない」という規定を設けているからだ。そのため、子どもたちは胎児の成長については学ぶことができても、どんな行為で妊娠するのかを知ることができない。

月経を巡っては、多様な俗信や疑似科学が世界各地に流布しているのだが*3、「処女には生理がない」というのはその中でもかなりユニークなものなのだろうか。