8時だよ?

承前*1

泉谷由梨子「「全国の犯罪者がネットに集合」と専門家 座間9遺体事件と“ネット上の出会い”」http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/08/zama-9_a_23270262/


「座間9遺体事件」を契機にして。サイバー空間の危険性について。「グリーの社会貢献チームマネージャー」である小木曽健氏*2へのインタヴュー。
先ず、


――著作で小木曽さんは「ネットで知り合った人と会うのはまだ危険な時代」と書かれています。


趣味の仲間を見つけたり、友達を作る。ネットと現実の境目は良い意味でなくなりつつあります。

ただ、現実的には、子どもが、街中で知り合った人に殺されるよりも、ネットで知り合った人に殺されるほうが確率が高い。それは間違いないんです。

私は主に子どもたちを対象に年間300回以上ネットの安全利用について講演をしていますし、多くの子どもからの相談も受けています。その中での実感ですね。

――小木曽さんは日頃、「ネットも現実も同じ。正しく使えば怖くない」という主張をされています。意外な気がしました。


残念ながら、子どもを狙う犯罪者の割合は、街中よりもネットの方が多いんです。それは、街で声をかけるよりもずっと効率的に子どもに出会えるから。

「子どもを狙う全国の犯罪者がネットに集合している」という事実があり、その事実がまだ、多くの人に知られていない。ネットで犯罪者に遭遇する確率が高くなってしまう理由です。

「ほら、だからネットは危ないじゃないか」と言われてしまうのはとても不本意なのですが、それは客観的な事実として仕方がないことです。「犯罪者が集まっている」という事実を皆が知って対策をすれば、現実と同じに戻せるとは思うんですが。

記事のタイトルにもなっているのだけど、「集合」という表現はミスリーディングだろう。本当に或る特定の場所に「集合」しているのであれば、「全国の犯罪者」を一網打尽にすることができる。寧ろ問題は分散・遍在していることに存するといえるのでは?
また、

――もしも親の立場で、子どもが「ネットの友達に会う」と言ったら、どうするべきでしょうか?


事実かどうかはわかりませんが、今回の容疑者が、被害者の中に「本当に死にたい人はいなかった」と供述したという報道がありましたね。

あの発言が示唆していると思いますが、生きる意欲がない子が、人に会いに行ったりするだろうかという気がします。

つまり、SNSに「死にたい」「自殺したい」と書き込んだからといって、必ずしもその子が死にたいとは限らない。「誰かに聞いてほしい」「助けてほしい」というメッセージを発信しているんです。

もしも親として、子どもに言うとしたら、私はこうアドバイスするしかないと思うんです。


ネットは、自分が思ったことを誰かに聞いてほしいと思って書き込むための道具です。だけど、その気持ちは、あなたが伝えたいと思う人だけじゃなくて、全員に届いてしまう。

その中には、あなたの気持ちを踏みにじる人もいる。悪用してアッサリ命を奪う人もいる。ネットに書くということは、そういう人間を含めて皆に心の叫びを伝えてしまうこと。

だから、本当の気持ちを晒して見せることはリスクが大きい。それを理解して書き込みをするべきだし、そういう書き込みを見て会おうとしてきた人とは、会うべきではない。

今回の事件は、多くの大人にとっては他人事、対岸の火事だと思っているかもしれません。

それはそうなんです。正直、私のような大人の男が、個人情報をいくら書き込もうが、ネットで誰かと出会おうが、さほどの大きなリスクはありません。

判断力というよりも、利用する人によってリスクの大きさが違うのがネットです。大人よりも子ども、男の子より女の子のほうが、リスクが大きい。それは動かしがたい事実です。