ファクシミリと国際電話

神庭亮介*1裸のラリーズ結成50周年 ハイジャックで北朝鮮へ渡った元メンバーが語る」https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/rallizes1
神庭亮介「裸のラリーズを脱退し北朝鮮へ 「最近ハマってるのはBABYMETAL」」https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/rallizes2


今年は伝説のサイケデリック/ノイズ・バンド「裸のラリーズ*2が京都で結成されてちょうど50周年。上掲の記事は、「裸のラリーズ」のオリジナル・メンバー(ベーシスト)で、脱退後に赤軍派に加盟し、「よど号*3をハイジャックして北朝鮮に渡った若林盛亮氏へのインタヴュー。「回線状態が悪く度々寸断」されながら「2時間超に及んだ」、東京‐平壌間の国際電話によるインタヴュー。
読んでいて興味深かったのは、転向者(所謂ex-な人たち)の言説に見られがちなように、過去を殊更にネガティヴに描くということがないということだ。つまり、若林氏の主観においては、「裸のラリーズ」と(或る時点以降から現在に至る)〈金日成主義者〉というのは連続しているということになる。
さて、


スズキナオ*4水谷孝×湯浅学ファクシミリ交信−1991」http://chimidoro.exblog.jp/10827476/


ミュージック・マガジン』1991年11月号に掲載された湯浅学*5による、「裸のラリーズ」のオリジナル・メンバー且つ現時点での唯一の現役メンバーである水谷孝へのインタヴュー記事「裸のラリーズをもっと」の紹介。東京‐巴里間のファックスによる10時間半に及ぶ会話。
私が意識的に音楽を聴き始めた頃、「裸のラリーズ」は既に伝説のバンド、或いは〈噂〉のバンドであった。久保田麻琴『世界の音を訪ねる』*6を読んだとき、その中の自伝的な記述の中で、「裸のラリーズ」に関わっていたことが述べられ、若林盛亮も言及されているのを読んだときには、そうなんだ! という軽い驚きを感じたのだった。

世界の音を訪ねる―音の錬金術師の旅日記 (岩波新書)

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