神庭亮介「妊娠したラブドールが問いかけるもの 菅実花が向き合う「女神と怪物」」*1で言及されていた2016年のAFPの記事;
去年日蝕があったのか。また、この村の住民はクリスチャンなのかムスリムなのか。どこの社会の民俗的想像力でも、外の世界から漂着してきたものにポジティヴ若しくはネガティヴな力を感じ取るという信仰はあるだろう。例えば、エビス(恵比寿/蛭子)信仰*2。海ではなく川だけど、「桃太郎」の話*3。また、雛祭りの起源とされる流し雛では、或る種のスケープゴートとしての人形は〈穢れ〉(というネガティヴな力)を背負わされ、水に流されてしまう*4。
「堕天使」漂着に村人ら大喜び、実はセックス人形 インドネシア
2016年5月3日 20:09 発信地:ジャカルタ/インドネシア
【5月3日 AFP】インドネシアの海岸に美しい人形が流れ着き、村人たちは天から落ちてきた天使だと信じて喜んだ──だが、この人形は空気で膨らませた性具だった。
警察によれば先月、インドネシア中部のバンガイ(Banggai)諸島沖で、カルパピ(Kalupapi)村の住民であるパルディン(Pardin)さんが漁をしている最中、この人形を発見。前日には、この地域一帯で日食が起きていたことから、地元住民たちは2つの出来事には因果関係があると信じ込んだ。
天からの贈り物が浜辺に漂着したというニュースはあっという間に広まった一方で、警察は社会不安を招きかねないと懸念し、捜査に乗り出した。しかし、辺境の地に足を運んだ捜査官らは、すぐに「天からの贈り物」説の真相を突き止めた。
AFPの取材に応じた地元の警察署長は、「現場に出向いた警官らは、この『堕天使』が単なる人形、性具であることを確認した」と述べた。
パルディンさんが人形を村に持ち帰ると、母親は人形に布を詰め込み、椅子に座らせて、洋服やスカーフを毎日着せ替えていた。
警察署長によれば、カルパピ村では「インターネットにアクセスできず、村人たちは性具がどんなものか知らない」という。
http://www.afpbb.com/articles/-/3086005
ところで、インドネシアはかつて阿蘭陀の殖民地であった。
*1:https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/ninshin-shi-ta-ra-bu-do-ru-ga-toi-ka-ke-ru-mo-no-josei Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171029/1509302860
*2:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081031/1225480601 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170111/1484102300
*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081221/1229862299 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110408/1302231999 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151122/1448158890
*4:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E3%81%97%E9%9B%9B