「処女の血」

最近「血」の力についてちょっと言及したのだが*1、ちょっと前の『SAPIO』の記事;


金日成の健康法は少女からの輸血や少女との入浴など」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170716-00000016-pseven-int


曰く、


金日成は、健康管理、長寿に異常な執着心を持っていた。そんな金日成のために1976年に設立されたのが通称「金日成長寿研究所」。そこでは西洋医学と一線を画す、驚きの北朝鮮独自の医療技術が日々、研究されていた。後年、脱北した同研究所の研究者らにより金日成が試みたという健康法が明かされている。

 そのひとつが、北朝鮮北部から選抜された十代の処女たちからの輸血。処女の血には、白血球やヘモグロビン、良質なたんぱく質が豊富に含まれているからだという。処女の出身地が北部に限定されていたのは、「アメリカの侵略に遭わなかったため、血が汚れていない」という理由だった。少女たちは金日成との入浴も強要された。彼女たちから発散されるホルモンを吸収するためだという。

 また研究所では、鹿の角や高麗人参などを使用した精力増強剤のほか、冬虫夏草やオットセイのペニスなどを成分とする老化防止の秘薬も開発されていた。研究員らは、「それら秘薬の効果を確かめるため、金日成と同様の肥満体型の幹部たちを集めて人体実験を行っていた」ことを明かしている。

 国家の優秀な人材を総動員し、金に糸目を付けず妙な健康法に明け暮れた独裁者は82歳でこの世を去った。当時の北朝鮮男性の平均寿命67歳を大幅に上回る長寿だった。

SAPIO』ってウヨ系の雑誌の筈で、もっと金日成北朝鮮を糾弾したり罵倒してもいい筈で、実際、それはいくらでも可能であるのに、何故か記事の調子はほのぼのしていて、金日成に対する憧れさえ感じられる。それは、性差別やトンデモ志向に対する親近感なのだろうか。
この素性も名前もわからない脱北研究者が今何をしているのかは(当然のことながら)全然わからないのだが、「金日成長寿研究所」の「研究」が疑似科学ではなく科学であったなら、脱北しても西側の大学や製薬会社から引手数多の筈だけど、そういう話は聞いたことがないというのは、やはり疑似科学でしかなかったということだろうか。