「イグ・ノーベル」大国

福光恵「なぜ日本人は「イグ・ノーベル賞」で強いのか “笑える研究”で11年連続受賞」https://dot.asahi.com/aera/2017101100012.html


日本人は「イグ・ノーベル賞*1を11年連続で受賞している。


ノミネートは自薦、他薦によっておこなわれ、選考のハードルも本家よりはるかに低そうだが、意外にそうでもないらしい。ノーベル賞より予想が難しいのはもちろん、取るのも難しいと考える科学者も少なくない。

 同館[日本科学未来館]の科学コミュニケーション専門主任でノーベル賞イグ・ノーベル賞担当の詫摩雅子さん*2は、その理由をこう話す。
「がんが治ればいいな、青色発光ダイオードができればいいなというように、多くの人が取り組んでいる研究を、最初に提唱し、実現した人に贈られるのが本家ノーベル賞です。かたやイグ・ノーベル賞は、その人がやらなければ、誰もやらなかったような研究に対して贈られるものだからです」

 日本人受賞者リストを見てもわかるように、日本はほぼ毎年のように受賞者が輩出し、アメリカ、イギリスに次ぐイグ・ノーベル大国になっている。

「受賞者が多いのは、やはり豊かな国。いつ役に立つとも知れない科学の基礎研究に、お金をかける余裕がある国と言えます」(詫摩さん)

 またイグ・ノーベル賞を創設したマーク・エイブラハムズ氏が「日本とイギリスは、奇人変人であることを誇りとする国(だから受賞者が多い)」と分析したことも。

日本人がノーベル賞を獲らなかった、このままじゃ近い将来中国に抜かれる! と嘆くよりも、11年連続でのイグ・ノーベル賞を誇るべきだろう。日本がまだ「豊かな国」であり、「いつ役に立つとも知れない科学の基礎研究に、お金をかける余裕がある国」だということなのだから。