MLが問題?

承前*1

東京学藝大学「アカハラ」事件を巡って。
Tokyo MX Newsの報道;


東京学芸大の教授 一斉メールで「留年して」 (福祉・教育 - 2017年9月12日 18時30分)



 東京・小金井市にある東京学芸大学教育学部の男性教授が、複数の学生に留年をほのめかすなどの嫌がらせを繰り返す、いわゆる「アカデミックハラスメント」をしたとして、大学は男性教授を諭旨解雇処分にしました。

 東京学芸大学によりますと、男女3人の元学生が卒業後、大学に対して、50代の教育学部の男性教授によるアカデミックハラスメントの被害を訴えたということです。教授は、学生に留年をほのめかしたり、企業の内々定を取り消させようとしたりと、嫌がらせを繰り返していたということです。

 「なぜ17時に研究室にいなかったのか。今夜中に必ず返信しなさい」「卒論の進捗(しんちょく)の悪い人は論文を提出できません」「留年してください」など、学生に不安を与えるような数々のメールは、メーリングリストを利用して他の複数の学生たちも読めるよう、教授が一斉送信していました。

 学芸大学に通う現役の学生からは「残念です」「(教授と学生が)うまく合わなかったのかなと思うが…」「大学の教員としてはやっちゃいけないことだと思うし、してほしくないと思います」といった声が聞かれました。

 大学によりますと、被害を訴えた卒業生のうち2人は、就職したものの今も精神疾患で働けない状態だということです。

 一方、諭旨解雇処分となった教授は11日付で辞職し、反省しているものの、言動の一部については「指導の一環だった」としています。

 東京学芸大学は「誠に遺憾であり、再発防止に努めたい」とコメントしています。
http://s.mxtv.jp/mxnews/kiji.php?date=46512163

最初に『朝日新聞』の記事*2でこの事件を知ったときは、学生さんの就職活動を妨害するために「内々定」先の企業に電凸を試みるのはどうみても常軌を逸しているよねと思ったのだ。また、朝日の記事では意味不明のところもちょっとあった。今回、Tokyo MX Newsの方を読んで、その意味不明については少し霧が晴れた気がした。
さて、

 「なぜ17時に研究室にいなかったのか。今夜中に必ず返信しなさい」「卒論の進捗(しんちょく)の悪い人は論文を提出できません」「留年してください」など、学生に不安を与えるような数々のメールは、メーリングリストを利用して他の複数の学生たちも読めるよう、教授が一斉送信していました。
という部分。この記事の存在を教えてくれた人も言っていたのだが、このようなメイルの文面が何故不適切なのかあまりよくわからなかった。MLを使ったことが問題なのか。DMでやれば問題なかったの? まあ日常会話でもそうなのだけど、メイルの中の言葉というのはメイル全体の中ではじめて意味を持つし、メイルの意味はやり取りというかスレッドの中ではじめて意味を持つ。そういう全体的な文脈の中から都合のいいフレーズがカット&ペーストされてるんじゃないの? という疑問は拭いきれないのだ*3。例えば、「なぜ17時に研究室にいなかったのか。今夜中に必ず返信しなさい」の場合、宛先の学生さんがアポイントメントをすっぽかしたのかなと解釈したのだけれど、本当にそれでいいのかどうかは、メイルの全体或いはスレッドを参照しなければわからないのだ。