「Fランク」というのは学生さんの「学力に問題がある大学」*1ということだけじゃなくて、何よりも先ず大学経営の瀬戸際性を表わしている。
石渡嶺司*2「Fランク寸前大学が全国5位大学に成長した理由〜共愛学園前橋国際大学・学長インタビュー」https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20170911-00075593/
「Fランク寸前」から「『大学ランキング』(朝日新聞出版)の2018年版の「学長からの評価〜教育面で注目」ランキング」5位にまでなった群馬県の「共愛学園前橋国際大学」。起死回生のための「秘策」が5つ提示されているのだが、興味深かったのは「共愛学園前橋国際大学」が(苦しくなった大学がやりがちな)校名の変更を行わず、この長い名称を守り抜いたこと。また、経営が苦しくなると、大学は入試の難易度を下げたり、推薦入試の評定平均を下げたりしがちだが、この大学では高校側からのプレッシャーにも屈せず、評定平均を維持したこと。現在大学入試市場は完全な買い手市場で、デフレ圧力が高いので、評定平均の維持というのは*「Fランク寸前」じゃなくてもかなりきついことなのでは?
ところで、政治の世界でいえば党名が「未来」になったり「生活」になったり「自由」になったり、ころころ猫の目のように変わるというのは、政治イデオロギー以前に、マーケティング論というかブランディングの準位でアウト、ということになる。
ところで、
これは知らなかった。
開学時期が共愛学園前橋国際大学と1年違いの2000年に開学した広島安芸女子大学は開学時期以外にも類似点が多数ありました。前身は女子短大、開学ないし開学2年目から定員割れ(広島安芸女子大学は定員195人に対して入学者は1年目32人、2年目38人)、地方かつ単科大学というところも同じです。
この広島安芸女子大学は開学3年目に共学化、立志舘大学と改称します。これで開学3年目の入学者は107人と上向きますが、それでも定員割れ。教職員のリストラ、理事長の横領疑惑などで迷走し、2003年、卒業生を出さないまま廃校が決まりました。
共愛学園前橋国際大学も広島安芸女子大学/立志舘大学と同じコースをたどっていてもおかしくはありません。