グアムの言い分 - Living, Loving, Thinking, Again

伊吹早織*1「北朝鮮がミサイル攻撃を「予告」していた島、グアム。大統領を選べない島民が抱える葛藤」https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/how-guam-reacted

北朝鮮が襟裳岬沖にミサイルを落とした日*2のグアム島の反応；

［８月］29日午前8時（日本時間午前7時）ごろ。
観光客で賑わうグアムの首都ハガニアの中心部で、エンジニアとして働くジョナサン・ハヴェリャナさん（25）は、「たったいま出勤して会社のパソコンを開くまで、北朝鮮がミサイルを発射したこと自体知りませんでした。職場の同僚もみんな知らなくて驚いていました」と、BuzzFeed Newsの取材に話した。
ニューヨーク・タイムズによると、グアム国土安全保障省では、今月9日に北朝鮮がグアムを標的にすると発表して以来、24時間体制で職員を待機させ、ミサイル発射後2分以内に全島民へ危険を知らせられるよう、緊急警報などの体制を整えてきた。
だが、29日に警報が鳴ることはなく、「職場でも特に何もアナウンスはありませんでした」とハヴェリャナさんは語る。
「みんなの関心事といえば、先週末のメイウェザーvsマクレガーのボクシングの試合、最近相次いでいた雷雨の心配、それからテキサス州を襲った台風の話くらい。それ以外はみんな普通の穏やかな一日を過ごしていましたよ」

さて、グアムは合衆国の州ではなく準州なので、大統領選挙の投票権がなく、連邦議員を選ぶこともできない。昨年の大統領選挙に合わせて、グアム島では、輿論調査が行われたが、ヒラリー・クリントン支持が70％を超えていた。輿論調査と（公式の）大統領選挙の結果が食い違ったのは初めてだったという*3。
今回、軍事拠点であるとともに観光地であるグアムは、〈風評被害〉による旅行キャンセルが発生する一方*4、今回全世界のメディアの注目を集め、一挙に知名度を上げたのだった；

野上英文「「観光業はモロいから…」グアムの局長、北朝鮮ミサイルへの「本音」」https://withnews.jp/article/f0170830002qq000000000000000W07810101qq000015782A

ところで、グアム島には「ナンヨウオオガシラ」という蛇が外部から持ち込まれ、そのために、グアム固有種の鳥「グアムクイナ」が野生では絶滅し、やっと「人工増殖」で種を保っているのだという；

疋田多揚「「とんでもない誇張だ！」グアム副知事がミサイルより恐れる「風評」」https://withnews.jp/article/f0170903001qq000000000000000W07h10101qq000015813A

グアム島といえば、横井庄一 *5。1997年９月歿だから、今年（今月）で歿後20周年。

*3:See Chloe B Babauta and Jasmine Stole “Guam residents weigh in on Trump win” http://www.guampdn.com/story/news/2016/11/11/mixed-reactions-trump-victory/93628006/

*4:See eg. 女屋泰之「グアムへの修学旅行中止、大分の高校　北朝鮮発射予告で」http://www.asahi.com/articles/ASK8S4DR9K8STPJB003.html Cited in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170824/1503583731

*5:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E4%BA%95%E5%BA%84%E4%B8%80 pekepon6666「グアムで28年間まだ戦争だと思っていた伝説の日本兵「横井庄一」」https://matome.naver.jp/odai/2138992822994864601 名古屋市博物館「ジャングルにひそんで28年　横井庄一さんのくらしの道具」http://www.museum.city.nagoya.jp/exhibition/special/past/tenji151017.html